こんなCDを聴こう(テナー・サックス編)

 前回に引き続き、第2弾はジャズ・テナー入門です。
テナー・サックスはアルトに比べると多彩な音色を出せるので、演奏スタイルにもさまざまなタイプが存在します。
幅広くいろんなプレイヤーを聴きましょう。
年代的に古いプレイヤーが多いのですが、最近のプレイヤーに関しては改めてご紹介します。
 この中にも現在発売されていない物もあるかもしれませんので、ご了承ください。


  1. Ballads/John Coltrane
    現在の多くのプレイヤーに尊敬されテナーの神様と呼ばれているのがジョン・コルトレーンです。アルバムも沢山残されているのですが、全てのジャズファンに愛聴されているのがこの「バラード」です。音楽とは歌なのだ、という原点を感じさせてくれます。これ以外では個人的には50年代後期の作品が好きです。

  2. Saxophone Colossus/Sonny Rollins
    ジャズの歴史上で非常に重要なアルバムです。ソニー・ロリンズは豪快な音色と歌心あふれるフレーズが特徴です。「セント・トーマス」「モリタート」などモダンジャズの定番スタンダードと呼ばれてます。このアルバムを聴いていないサックス奏者はいないでしょう。

  3. Stan Getz Plays
    スタン・ゲッツも、是非聴いておきたいプレイヤーです。サブトーンの柔らかい音色、知的でクールなフレーズ、正確なテクニックとリズム感。それでいて心の熱さは伝わってきます。

  4. Page One/Joe Henderson
    ジョー・ヘンダーソンの63年録音の初リーダー作。プロの間でもこの人の評価は非常に高いです。「ブルー・ボサ」「リコーダ・ミー」の快演が聴けます。

  5. Dippin'/Hank Mobley
    ファンキー且つ、オーソドックス、時々モーダル、このハンク・モブレーはフレーズの組み立ての良いお手本になるでしょう。このアルバムの「リカド・ボサノバ」は超定番です。

  6. Return of The Griffin/Johny Griffin
    ジョニー・グリフィンもオーソドックスなハード・バッパーです。私の好きなプレーヤーで、20歳の頃このアルバムの「枯葉」をコピーして練習していました。

  7. Our Man In Paris/Dexter Gordon
    このデクスター・ゴードンは、40年代パーカーやガレスピーとビ・バップを作り上げた第一人者ですが、それにとどまらず、自分のスタイルを進化させていきました。映画「ラウンド・ミッドナイト」での名優振りも忘れられません。

  8. Scott Hamilton with Strings
    現代のテナー奏者は多かれ少なかれコルトレーンの影響下におかれたプレイヤーが多いのですが、このスコット・ハミルトンは、レスター・ヤングやコールマン・ホーキンスといったスイング・テナーを正当に継承した珍しい一人です。ストリングスをバックにしたムーディーでエッチなテナーもたまにはいいものです。

  9. Sugar/Stanley Turrentine
    私が最初にコピーしたのがこのスタンリー・タレンタインでした。ペンタトニックとブルーノートを主体としたフレーズに時折ツーファイブ・フレーズを織り交ぜる分かりやすいスタイルで、非常にファンキーです。良くこのレコードに合せて練習した思い出があります。

  10. Infinity/McCoy Tyner Trio Featuring Michael Brecker
    現代を代表するテナー・マンとしてはこのマイケル・ブレッカーをお薦めします。コルトレーン・スタイルをベーシックに持ち、超絶的なテクニックとポップなメロディー感覚を持ち合せています。私は彼のリーダー作よりもこのアルバムのようなセッションでのプレイが好きです。この人に関しては、回を改めて特集を組みたいと思います。


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