My Favarite Album(その2)

 前回に続き、私の好きなジャズアルバム(とは言えないものもありますが)の第2弾です。今回は比較的最近のものを中心に選んでみました。改めて好きなアルバムを探してみると、以外と少ないことに気づきました。資料や研究材料として持っているサックス奏者のアルバムは数多くありますが、本当にリラックスして聴けて、「あ〜、良いな、好きだな!」と思えるものはなかなかありません。


1.Mood Swing/Joshua Redman
 最近の、テナーマンでは、このジョシュア・レッドマンが気に入っています。ある意味では彼のようなスタイルが、現在のメイン・ストリームだとも言えるのではないかと思います。尚、私も生徒さんに教えてもらったのですが、ワーナー・ミュージックから彼のソロコピー集が出版されています。興味のある方は輸入書籍を扱っている楽器店で探してみてください。

2.Vincent Herring/Vincent Herring
 アルトのおすすめはこのヴィンセント・ハーリングです。本当に超スタンダードな曲を取り上げてレコーディングしています。ナット・アダレーをして、「兄のキャノンボールの姿を見た」と言わしめる逸材です。豪快でスリリングなプレイが楽しめます。

3.The Natural Touch/Ken Peplowski
 このケン・ペプロゥスキーはテナーとクラリネットとを持替えで演奏するベテランです。日本での認知度はあまり高くないようですが、オーソドックスな上手いプレイヤーです。リラックスして聴けるおすすめの1枚です。

4.Mo' Roots/Maceo Parker
 メイシオ・パーカーはジェイムズ・ブラウン・バンド〜P・ファンクというファンク・ソウルの流れの中心で活躍してきたアルト奏者で、「これはジャズじゃない」という頭のカタい評論家もいるのですが、そんな事は関係ありません。とにかくカッコいい!是非聴いて下さい。

5.Live Jazz/Nancy Kelly
 このCDは現在入手できるかどうかわからないのですが、私が非常に気に入っているヴォーカルアルバムです。このナンシー・ケリーは当時24歳期待の新人でしたが、最近ではあまり名前を見かけません。どなたかご存知の方は、教えて下さい。スタンダードを中心に、メリハリのある声としっかりとした歌唱力、バックのメンバーも良く、特にこのアルバムのアーニー・ワッツのサックスは聞き物です。

6.The Brasil Project/Toots Thielemans
 ジャズ・ハーモニカの第一人者トゥーツ・シールマンが、ブラジルのイヴァン・リンス、ドリ・カイミ、エドゥ・ロボらの超大物スターと共演した豪華アルバム。心地よいです。ボサノバやサンバはやはりブラジルのミュージシャンのものを聴いて下さい。ジャズ・ミュージシャンの演奏しているリズムは、やはり根本的なノリが、全然違うのです。

7.Black Market/Weather Report
 前回のウェイン・ショーターの項でも少し触れましたが、私はウェザー・リポートの大ファンでした。中でも一番好きなのがこの「ブラック・マーケット」です。76年のアルバムですが、何度聴いても新鮮な感動を覚えます。尚、このアルバムからベースにはジャコ・パストゥリアスが2曲だけですが参加しています。

8.Breathless/Kenny G
 売れているものは聴いてみるものです。私は実は、このケニー・Gやキャンディー・ダルファーはルックスやファッションが先行して売れていると、バカにして聴いていませんでした。いわゆる聴かず嫌いだったのですが、ところがアルバムを買って聴いてみると以外と良いのですよこれが!

9.Romance For Saxophone/Branford Marsalis
 これははっきりジャズではありません。このブランフォード・マルサリスのアルバムは、ドビュッシー、フォーレ、ラヴェルなどのクラシックの有名な小品をミッシェル・コロンビエーが編曲しイギリス室内管弦楽団と共演したものです。ここでは、ブランフォードはソプラノ1本で、美しく見事にクラシックしています。下手なクラシック奏者よりも良いです。サックスの演奏技術の基本にはクラシックもジャズもないのだという見本です。私の愛聴版です。

10.Tenderness/Al Jarreau
 最後は、ヴォーカルアルバムです。スーパー・ヴォーカリストのアル・ジャロウがマーカス・ミラーをプロデューサーに迎え、豪華なサイドメンをそろえたスタジオライブです。サックスのソロイストも、マイケル・ブレッカー、デビッド・サンボーン、ケニー・ギャレットらが参加。ジャズ、ポピュラーのスタンダードが堪能できます。


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