アドリブ入門講座(2)

 前回のペンタトニックは、おわかり頂けましたか? 今回は引き続きマイナーの曲でのペンタトニックの使い方を考えてみましょう。


ナチュラル・マイナー・スケールとマイナー・ペンタトニック・スケール
(メジャーとの相関表)

key=A minor (C Major)

楽譜3

 上の左側の楽譜を見ていただくとわかるように、同じ調子記号のメジャースケールとナチュラルマイナースケールはまったく同じで始まる音が違うだけです。長調はドレミファソラシド、短調はラシドレミファソラです。このように、同じ調子記号のメジャーとマイナーの関係を平行調といいます。

 右側の楽譜のペンタトニックについても同じことが言えます。AマイナーのペンタトニックはCメジャーのペンタトニックをラの音から始めてやれば良いのです。簡単ですね。

ポイントマイナースケールから47抜き音階を作ろうとしてはいけません!
(基本的には平行調では導音も一緒になります。実際には少し変化するのですがここでは取り上げません。改めて解説することにします。)

 また、CメジャーとCマイナー(このような同じ主音のメジャーとマイナーの関係を関係調といいます)とを比較して解説している理論書や独習書も多いのですが、初心者にとっては混乱をきたしやすいので、必ず同じ調子記号の平行調でスケールを覚えることをおすすめします。

メジャーを覚えていればマイナーは始める音を変えるだけで良いのです

 例題として、ジョージ・ガーシュイン作曲の「サマー・タイム」で考えてみましょう。
この曲は、アルトサックスでDmのキーでよく演奏します。この曲でマイナーペンタトニックでアドリブするには・・・

  1. Dmのキーは調子記号がフラットひとつですから、

  2. 平行調はFメジャーです。

  3. Fメジャースケールから4.7番目のBbとEの音を抜いて

  4. Dの音から展開すると・・・
    Dマイナーペンタ

  5. これでDマイナーペンタトニックの出来あがりです

=今回の宿題=

1.ナチュラル・マイナー・スケールとマイナー・ペンタトニック・スケールを全部の調(12key)で吹けるように練習しよう。(メジャーが出来ていれば簡単ですよね)

2.次のマイナーペンタトニックのフレーズを全部の調(12key)で吹けるように練習しよう。

フレーズ2
(速く吹けば吹くほどカッコ良く聞こえるよ)

ご参考までに
・Jamey AebersoldのマイナスワンCDのvol.24「Major&Minor」を持っている人はCDに合せて練習して下さい。
・自動伴奏ソフト(Band in A Boxなど)をお持ちの方は、Amのレピートを延々作って練習して下さい。


Prev jazzのホームへ Next
前のページへ Jazzページのトップへ 次のページへ