アドリブ入門講座(3)
メジャーとマイナーのペンタトニック・スケールは、マスターできましたか?今回はブルー・ノートについて書いてみたいと思います。
ブルー・ノートとブルース・ペンタトニック・スケール
15世紀の末、コロンブスによって、アメリカ大陸の発見がヨーロッパに伝えられるまで、先住民族として生活していたインディアン(南アメリカではインディオ)は元々ベーリング海峡が陸続きだった頃、アジア大陸から渡った、私達日本人と同じルーツを持つモンゴロイド族であったことは、以外と知られていません。彼らは後から入植してきたヨーロッパ民族に従おうとはしませんでした。そこで、安い労働力としてアフリカ大陸からたくさんの奴隷が、連れてこられたわけです。
奴隷達はつらい労働を課せられ明るく笑うことも許されず、そのつらさ、悲しさを歌で表現しました。本来明るかったメロディーも暗くするために、メジャーの曲でも明るく聞こえないように低く音程を変化させてマイナーの曲のように唄った、という事がブルー・ノートの発祥だと言われています。音楽的にみると、メジャースケールの3度、5度、7度にあたる音を半音低く演奏することによって同じように表現することが出来ます。(実際にはもう1/4音くらい低いと言われています)
ここでは、まず一番メジャーとマイナーとの違いが出る3度の音を中心に使い方を考えてみましょう。
ペンタトニックにb3を加えると
ここまでで、練習したペンタトニックにメジャー上のb3度の音を加えると上の楽譜のようになります。これはあくまでもペンタトニックにブルー・ノートが加わったものとして理解して下さい。Cメジャー(Aマイナー)の曲では、Ebの音がブルー・ノートとして使用できるという事です。実際に楽器で吹いてサウンドを確かめてみてください。ひとつ音が加わっただけで、結構ジャズっぽく聞こえませんか?
さて、ここからが本題です。メジャーの曲中でブルージーな雰囲気を出すために、マイナーの音列を借用して展開すると・・・
というようになります。調子記号に注意して下さいね。キーが変わっています。AマイナーのペンタトニックをAメジャー上で使うわけです。
また見やすいようにオクターブ上で記載しています。数字は参考までにAメジャー・キーの根音(ルート)からの度数を表しています。
この音列をブルース・ペンタトニック・スケールと呼びましょう。b3、b5、b7という3つのブルー・ノートが含まれていることが解りますね。しつこいようですが確認です。メジャーの曲に関係調(同じ主音)のマイナーの音列を借用することによってブルージーな雰囲気を出すことが出来るのです。
しかし、あくまでも曲調によります。明るいポップスの間奏などのソロで、いきなりこの音列でブチかましても、ただ雰囲気を壊してしまうだけです。そこはプレイヤーのセンスが問われるわけです。参考までにCのキーでは次の楽譜のようになります。
=今回の宿題=
1.ブルース・ペンタトニック・スケールを全部の調(12key)で吹けるように練習しよう。
2.次のブルース・ペンタトニックのフレーズを全部の調(12key)で吹けるように練習しよう。
(Key= C:速く吹けば吹くほどカッコ良く聞こえるよ)ご参考までに
・Jamey AebersoldのマイナスワンCDのvol.42「Blues in All Keys」を持っている人はCDに合せて練習して下さい。
・自動伴奏ソフト(Band in A Boxなど)をお持ちの方は、C7コードのレピートを延々作るか、ブルース進行を入力して練習して下さい。