ボサノヴァ入門

 ボサノヴァのお薦めCDを紹介して欲しい、というご意見を頂きました。
以前のアルバム紹介でも少し触れましたが、ジャズ・ミュージシャンが取り上げているリズムとしてのボサノヴァよりも、本当のボサノヴァを楽しんでいただきたいと思います。

 今回は、私の奥さんに原稿を依頼しました。彼女はプロのボーカリストで自分でピアノを弾きながらジャズやブラジル音楽を演奏しています。(ガラス工芸家でもあるのですが・・・)
私よりもこのジャンルに関しては詳しいのでご参考になれば幸いです。また、ボーカル物が中心になっていますのでご了承下さい。カナ表記もブラジル読みになっています。


 おすすめボサノヴァアルバムということで、何枚かピックアップしましたが、あえて、A.C.ジョビンのものははずしました。ジョビンのものはたくさん出ていますので、探しやすいと思います。
 純然たるボサノヴァだけでなく、MPB(ブラジル・ポピュラー・ミュージック)の物も何枚か入っていますが、ボサノバの流れを汲んでいる物を選びました。ブラジル物は、良い物でもすぐ廃盤になってしまうことが多いので、現在入手出来る物をあげてみました。

1.Rosa Passos / Antonio Carlos Jobim 40 anos de Bossa Nova
 ジョアン・ジルベルトの後継者と言われている、ホーザ・パッソスのジョビン集。

2. Leila Pinheiro/ Bencao, Bossa Nova
 ジョビンをはじめとする、ブラジルの作曲家の曲を作曲家ごとに3〜4曲ずつメドレーにして、まとめたもので、手っ取り早く色々な作曲家の物を聞くには手頃です。

3. Ono Lisa/ Catupiry
 言わずとしれた小野リサさんのデビューアルバム。どのアルバムもクオリティーが高いのですが、やはり、これから聞いて欲しいです。(できれば他の物も聞いてもらいたいですね。)

4.Wanda Sa & Menesucal/Eu e Musica
 ボサノヴァの創世記を過ごしてきた、歌手ヴァンダ・サーと作曲家ホベルト・メネスカルのアルバム。ボサノヴァのスタンダードと言われる曲がたくさん入っています。 

5.Joice e Toninho Horta/ Sem Voce
 日本でもファンの多いジョイスと、矢野顕子のアルバムやツアーなどにも参加しているトニーニョ・オータのデュオアルバム。ジョビンの曲集ですが、ベタな選曲ではないので新鮮です。

6.Sergio Mendes/ Brasileiro
 ボサノヴァではありませんが、ボサノヴァをポピュラーにして、世界に広めたセルジオ・メンデスの、グラミー賞受賞アルバム。マシュ・ケ・ナダしか知らない人はぜひ、聞いてみて。

7.Gal Costa/ Fantasia
 MPBの歌姫、ガル・コスタの代表作。Canta Burasilは必聴です。

8.Elis Regina/ Fascination The Best Of Elis Regina
 30代の若さで亡くなった、伝説の歌手、エリス・ヘジーナのベストアルバム。幅広い選曲と、熱いヴォーカルは、ウイスパーヴォイスのボサノヴァしか知らない人には聞いて欲しいです。
(ただし、ボサノヴァばかり唄っているわけではありません)
彼女のアルバムはたくさん出ていますが、あたりはずれがありますので、ベスト盤からはいるのが良いかと思います。

10. Ivan Lins/ 20Anos
 MPBの代表格、イヴァン・リンスの20周年記念ライブアルバム

11.おまけ Joao Gilberto/ The Legendary
 実はこのアルバムは廃盤になってしまってるんですが、ボサノヴァ入門としては、最高のアルバムだと思いますので、あえて、入れてみました。(廃盤になって日が浅いので、探せばあるかもしれません)
 ジョビンらとともにボサノヴァを作ったと言われるジョアン・ジルベルト。ボサノヴァのあのけだるい歌い方とギターのパターンを作ったのが彼です。(ギターの方については諸説ありますが)
 そして、記念すべき最初のボサノヴァの曲、シェガ・ヂ・サウダーヂを始めとするボサノバの名曲が目白押しのこのアルバムは、(37曲も入っています)ほんとに一度は聞いて欲しいのですが・・・。


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