アドリブ入門講座(4)

 前回までは、曲のキーさえ解っていればフレーズを作っていける音列をご紹介しましたが、次のステップとしてはコードネーム一つ一つについて研究していきましょう。
 サックスは単音楽器ですからどうしてもコード(和音)に対する認識が浅くなってしまいがちです。基礎知識をしっかり身につけておきたいものです。これらの知識はクラシック、ジャズなどジャンルを問わずに音楽を捉える上で非常に重要ですので是非覚えておいて下さい。


コードとアルペジオ

鍵盤図

1.全音と半音、インターバル

 まず、一番基本的なことを確認しておきましょう。上の鍵盤図を見てください。白鍵と黒鍵がならんでいますが、隣り合う鍵盤の関係が半音、ド-レのように鍵盤3つ分(間にド#がありますね)の関係を全音といいます。
 ミ-ファ、シ-ドは白鍵同士ですが隣り合っているので半音です。ミの全音上はファ#、ドの全音下はシbということになるわけです。

 次に、各音程間の間隔(インターバル)を度数で数えます。ド-レは2度、レ-ラだったら5度というように単に指を折って数えれば良いのです。

2.短3度と長3度

 もう一度鍵盤図を見てください。ド-ミの3度とミ-ソの3度とは、鍵盤の数が違うことが解ることと思います。ド-ミの間は5つ、ミ-ソの間は4つです。これらの違いを区別するために鍵盤4つの3度は短3度、5つの3度は長3度と呼ばれます。

3.コード(和音)の構成

トライアド
トライアド

 コードは3度の積み重ねによって構成されます。メジャーは1-3度間が長3度、3-5度間が短3度、マイナーではその逆になります。ポイントは1-3度間のインターバルです。長3度は明るい響き、短3度は逆に暗い響きを作り出すことを覚えておきましょう。

代表的なコード
代表的なコード

4.アルペジオ

 最初に書いたようにサックスは一度にひとつの音しか出せません(例外として特殊奏法で重音奏法というのが確かにありますが、ここでいうコードとはまったく別の物です)。ではどのようにしてコードを練習するのかというと、アルペジオ(分散和音)という形で練習します。

Cアルペジオ
C7アルペジオ

ポイント 上の譜例を見ていただくと、良くクラシックの教本にあるものと変わりません。これらをコードだと認識して練習することが大事なのです。教本を開いてただ指の練習としてアルペジオをトレーニングするのではなく、ハーモニー感を感じながらサウンドを覚えて下さい。

 このトレーニングの際、出来れば鍵盤楽器でコードを鳴らしながら(ペダルを使って)練習すると、より効果的です。

 このトレーニングの目標はアルファベットと数字で表されたコードネームだけを見たときに、アルペジオを吹けるかどうかということです。アドリブ(即興演奏)を行う上では非常に大きなポイントとなってきます。


=今回の宿題=

1.上記3.の項にある代表的なコードのアルペジオを全部の調(12key)で書き出して吹けるように練習しよう。(自分自身の貴重なトレーニング・ブックになると思います)

2.アルペジオの掲載されている教本をおもちの方はコードネームを書き込んで練習してみましょう。

おすすめ参考教本
Scales For Saxophone 阪口 新著 セルマー・ジャパン
サクソフォーンのためのトレーニングブック 須川展也著 音楽の友社


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