アドリブ入門講座(6)

 アドリブ・フレーズは、前回練習したコード・トーンだけでできているのではありません。ほとんど全ての音が使えるわけですが、問題はコード・トーン以外の音(テンション・ノート)をどう使うとカッコいいか?という事になってきます。今回はコード・トーンとテンションの組み合わせを考えてみましょう。


スケール上のコード・トーンとテンション・ノート

テンション

 上のCM7の場合を見てもらうと分かるように、1、3、5、7度のコード・トーンのさらに和音を上に3度ずつ積み重ねるとスケール上の音が全部出てきます。ジャズ和声ではこのように基本的には奇数の数字を使って音を分析していきます。
 これら9th、11th、13thなどのコード・トーン以外の音をテンション・ノートと呼び、1度下降することによってコード・トーンに解決しようとする性質を持っています。

 テンションとは「緊張」という意味で、この緊張した音をコード・トーンに混ぜて使うことによってさまざまなメロディーやアドリブ・フレーズを組み立てていくわけです。
 実際の和声としてのテンション・ノートの使い方はコードの機能によって変化していくのですが、ここでは単にコード・トーンとそれ以外のテンションとして捉えてください。

テンション・ノートの使用例

 まずは、ジャズらしいカッコいい音「9th」を中心にしたアドリブ例を挙げておきます。実際に音を出しながら響きを確認してみて下さい。
コード進行は前回と同じスケールワイズですが、そのままアルトサックスで「枯葉」に引用できるようにキーをGにしてあります。

・レベル1・・・9thとルートを中心にしたモチーフです。

・レベル2・・・9thとスケール、コード・トーンを混ぜたアドリブ・フレーズです。


=今回の宿題=

1.上記のフレーズの下に各コードのルートに対する度数を数字(奇数)で書きこんでください。そうすることで各コードに対するアプローチの手法を考えることができます。

2.できれば、全てのキー(12Key)に移調して練習してみよう。

3.このコード進行でコード・トーンとテンションを組み合わせて自分のフレーズを作ってみよう。


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