アドリブ入門講座(7)

 コードとその構成音、そしてテンションの関係はだいたい把握できたでしょうか。
即興演奏を行うプレイヤーはコードネームを見た時に、そのコードの持つ機能を考え、スケールを選択してメロディーを創作していっているわけです。

 アドリブを学ぶ上で一番大切なことは、コード・ネームからスケールを割り出すという作業なわけです。コード・ネームは和音を表すだけではなく、スケールを指定するものだという認識を持つことが非常に重要な意味を持ってきます。


ダイアトニック・スケール・コードとアヴェイラブル・ノート・スケール

メジャー・スケール上に出来るコード
(ダイアトニック・コード)

スケールの考え方の基礎として、今回はコードとスケールを把握するために、メジャー・スケール上に出来るコードを見てみましょう。

Key=C
ダイアトニック・コード
(ローマ数字はKeyの根音からの度数を意味します)

さらに、これらのコードに相対するスケールは以下のように分類され、ギリシャ教会旋法の名前を用いてアヴェイラブル・ノート・スケール(コードに対して使用できるスケール)と呼ばれます。

アイオニアン

ドリアン

フリジアン

リディアン

ミクソ・リディアン

エオリアン

ロクリアン


いずれもメジャー・スケールの展開形になるわけですが、なぜこのような分類が必要なのかと言うと次のコード進行を見てください。

Key=C |C |Am7 |Dm7 |G7 |C ||

Key=G |G |Em7 |Am7 |D7 |G ||

太字のAm7のスケールを比べて考えてみましょう。上はキーがCですのでエオリアン、一方下はキーがGですからドリアンになることがお分かりになるでしょうか?

Aドリアン

ポイント上にあるAエオリアンと比べてみると違うスケールであることが分かります。このように同じコードネームでもスケールも同じとは限らないわけです。
 1曲の中でもキーが1つで出来ている曲というのは実はあまりなく、部分転調という形で途中でキーが変わって行く曲が多いので、このようなアナライズと呼ばれる和音分析が大事になってくるのです。

アヴェイラブル・ノート・スケールを覚えるには、ア、ド、フ、リ、ミ、エ、ロというようにでだしの一字のつながりを覚えると便利です。


=今回の宿題=

1.ダイアトニック・コードを全てのキー(12Key)に書き出して、アルペジオの練習をして下さい。

2.さらに1.のダイアトニック・コードに対するアヴェイラブル・ノート・スケールを練習しよう。


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