MOTOさんの
きまぐれTokyoライブレポートVol.3

 MOTOさんからライブレポート第3弾を送って頂きました。MOTOさんありがとうございます。
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 サックス愛好家の皆さん、こんにちは。
 しばらくライブにいけませんでした。そのかわりといってはなんですが、今回は音のデカサでいえばライブ3個分に匹敵する(?)大音量轟音ファンクジャズバンド、de-ga-showだ!

◯ de-ga-show 5/15 新宿ピットイン
片山広明(ts)林栄一(as)酒井泰三(g)松川純一郎(g)
上村勝正(b)古澤良治郎(ds)

 土曜の夜、新宿ピットインはほぼ満員。若い男女が多い。メンバーが登場するなり拍手・口笛・掛け声が。いつもとちょっとノリが違う。皆が期待しているのがわかる。

ナニをキタイしているのだ?

1曲目『ハニードリッパー』からスタート。テーマの後、林栄一のアルトソロ。いきなり全力疾走だ。続くテナーの片山も負けじと激しくブロウ。ストレートでハイテンションなプレイは松川のギターソロから屈折しはじめ、酒井の激しくディストーションのかかったギターでさらに歪みまくる。上村のエレキベースはフロアをうねり古澤良治郎のスネアが垂直に突き抜ける。ううううるさーい!これはたまらない。開いた口はふさがらない。開いてる耳はふさげない。ふさげない耳からノイジーな大音響が鼓膜も破れよと脳に流れ込む。危険を感じた脳神経が感覚の受容レベルを下げようと麻薬物質を出し始めたらしい。結果として…トリップする。

コレダッタノカ…。

de-ga-showの音楽はただ音がデカイだけではない。de-ga-showの音楽はゴキゲンなのだ。ゴキゲンな音楽が最大ボリュームで迫ってくるのだからゴキゲンも最大だ。その秘密は古澤良治郎のドラムにある。あんなに気持ち良く抜けるスネアは聞いたことがない。カッコいいとしか言い様がない。渋谷オケよりなんか楽しそうだ。コワモテの林栄一も片山広明も実に楽しそうだ。いつものアバンギャルドな循環呼吸ソロも、林と片山の『マウスピースだけプレイ』も、『サックス二人羽織り』(片山のテナーを背後に廻った林が演奏。片山は吹きながら両手でVサイン)も、ゴキゲンなde-ga-showの音楽の一部としてすべてすっぽりはまってしまう。もちろん客も全員ゴキゲンだ。

クセニナリソウ。

アンコールの後ライブが終わり地上に出ると脳に音が残っていた。トリップは高くついた。一刻の快楽の代償は耳鳴りだった。耳鳴りは囁く。

『…また聞きたいんで、が、しょう?』


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