キャノンボール・あ・誰?さんの
佐藤達哉テナー・サミット・ライブレポート

新大久保Someday
12th Aug. 1999


 インタビュー・コーナーでもおなじみのキャノンボール・あ・誰?さんから佐藤達哉さんの主宰するテナーサミットの「サムディ」でのライブレポートを送って頂きました。
あ・誰?さん、いつもありがとうございます。10月に関西ツアーとして、10日京都RAG、11日大阪ロイヤルホースも予定されています。楽しみです。

この日、収録された佐藤達哉さんのインタビュー、その後小池脩さんへと、インタビュー・コーナーにも登場して頂ける予定になっています。どうぞお楽しみに!
尚、ご感想はゲストブックへお願い致します。


 ちょっと遅れたかな?と思ったら、若干押して20時頃スタート。4人並ぶと壮観ですね!メンバー紹介いくよ。dr.小島勉、b.早川哲也、pf.青柳誠、そしてts.は左から小池修佐藤達哉川嶋哲郎安保徹(敬称略)という、めっちゃお得で、エキサイティングなライブだ。お客さんはバンドに敬意を払ってか?ちょい、おとなしめです。

1. Cidar's Blues/arranged by 佐藤達哉
 まずts.4人揃い踏みでの一発。Cidar Waltonの曲。すごい迫力で、 レポートもいきなり忘れそうな「あ・誰?」であった。

 ソロはまず達哉さん:oh yeah! すごく太い音で、男性的。横綱プレイだ。どっからでもかかって来なさい!ってか?大鵬の信頼感、現:貴乃花の全盛期の頃の不動、旭国の様な巧みさ、時に千代大海の捨て身も感じる。それから、きっと偏差値の高いソロってこんな感じだろうにゃ〜〜という印象。雲龍型。

 続いて小池氏:う〜む、今日はいつもより優しげな音で始まったぞ。で、段々といつもっぽく、硬質で都会っぽいモダンな音になってきた。腹筋が割れてるような鍛え抜かれた肉体を連想するソロだにゃ。無駄がないっつうか。本当に厳しい音です。千代の富士のキレに通じるものを感じる。そして川嶋氏:見た目もちょっとそんな感じだけど、遊び人っていう字が浮かぶ、Hな音。いや〜〜ん、哲郎ったら・・・うふ。それからちょっと気になるアプローチ。演奏を聴きながら、もてるってことは才能だな、なんてことを感じてしまった。初めて聴かせて頂きますが、この方が最近噂の川嶋哲郎さんなのねん。

 で、安保氏:わ〜〜〜すっごいロマンチックな音だ。妖精の粉をまぶした様な、パウダリーノートという香水の分類があるんだけど、そういう感じ。例えば資生堂のmemoireとか。わからない表現だな。昔お母さんの鏡台や引き出しはこんな香りがしてたって感じの懐かしい様な「可愛い魔女ジニー」の壷の中のピンク色の様な。どんどんわからなくなっていくのでやめます。この方も初めて聴かせて頂きますが、丁寧というか、優しく包んでくれる様な感じ。

青柳氏もソロ:なんか不思議。色々遊んで、楽しい。どこへでも行ける人なのね。口がopenになっているぞ!青柳さんの好調の証です。

MCはバンマスの達哉さん:「風邪っぴきなので」ってことだけど、大人の男性の風邪声って妙に色っぽい。今回が二回目のテナーサミットだそうです。

2.上を向いて歩こう/ arranged by 青柳誠
 おなじみの曲だけど、コードとか色々変ってて、おもしろい。

 安保さん→川嶋さん→小池さん→達哉さん→青柳さんの順でソロ。もう、何の曲なんだかわからない感じ。やっぱり1曲目のところに書いた様なそれぞれの印象なんだけど、達哉さんは長男でちょっとしっかりもの、川嶋さんは次男坊って感じかな?小池さんって人は自分がその曲でどういうところへ行きたいか知っている様に迷わず吹くのね。だから、われわれも後をついて行くしかなくなるの。いや〜ご立派!で、安保さんは、あくまでもcoolな構えで、でも丁寧で優しいシンメトリーな安定を感じさせてくれます。

MC:次はバラードで、4人でうるさくなっちゃうといけないので、2人ずつのチームに分けるという趣向だそうです。まずは「あ・誰?」のだ〜〜い好きな曲を小池・川嶋の「あばれん坊・俺に惚れるなよ・お嬢さん火傷するぜぃteam」で。後のお2人はステージからいったん離れられました。

3. Darn That Dream(夢をつなぎ合わせる、縫い合わせるという様な意味)
 themeはまず川嶋さんが吹いて、サビから小池さんという風に分けて。
ソロは川嶋さん:すばらしい!ロマンチックだ。大失恋をして、ちぎれた夢をもう一度つなぎ合わせているって感じ。っんもう!すけべ!
 で、小池さん:すばらしい!馬力と確信だ。大好きな女性に、これからアプローチする計画や色々な将来の夢をつむいでいる感じ。っんもう!憎いお方!

で、また全員がステージに。

4.ズリズリ/ 青柳誠オリジナル曲
 一発もんのズバ〜〜〜ンって感じの曲なのね。小島さんが楽しそう、これは一体何ていうリズムなのかな?あ、達哉さんはソプラノだ。でね、達哉さんの使ってるのは、えっとえっと、アメリカンセルマー・マーク6・No.69950/セルマー、メタルE/リコー4番。どや!この完璧なレポート!(←自分で言うな!)

 ソロは達哉さん→安保さん→小池さん→で、4ビートみたいになって川嶋さん。もうすっごいノリノリで、一番印象に残っているのは小池さん。この方は前の人から自分へ順番が回って来る時、絶対に吹き始めではずさない。「つかみはOK!」って感じの立ち上がりの良いプレイで、聴衆の心を一気に持って行ってしまう。そういえばイニシャルもOKだにゃぁ。お後がよろしいようで、チャカ・チャンリン・チャンリン・デンデ〜ン

そして、気付くと21時05分になっていて、1st set終了。あ〜〜美味しい!もっと食べたいなぁって感じ。

2nd setは21時40分ぐらいからスタート。

1.りんご追分/ arranged by佐藤達哉
 ん?「あ・誰?」にサービスしてくれてるのか、和枝ちゃん(ひばりさんの本名)の曲だね。自己チューな解釈をしています。レゲェ風のリズムから4ビートになったりと、色々と素敵な工夫が。
 themeは達哉さん。達哉さんにからんで小池さんが色々しています。soloは青柳氏→安保氏→佐藤氏:佐藤さんものすごい、ホゲホゲ〜〜〜って。

実は2nd setは「あ・誰?」はあんまりちゃんとレポート出来んかったの。というのもつぎのインタビュー用にデジカメでの撮影許可バンマス:達哉さんにもらいに行ったら「あ、写真とってくれないかなぁ?」と、『写るんです』を手渡されました。ある雑誌や宣伝チラシ用の写真だってさ。その上、たまたま隣に座っていた小島さんファンの女性に「私もすいませ〜〜〜ん」って頼まれ、多忙につき、2ndはちょっとちゃんと報告出来ません。

MC:サックス奏者にとって忘れてはいけない方、松本英彦さんのお話し。今、体調を害しておられるので、今度大阪まで聴いてもらいに行く予定があるとのこと。で、松本さんに敬意を表し、松本さんといえばこの曲ということで、次の曲です。

2. Danny Boy/ arranged by青柳誠
 川嶋さんをfeatureして、本当にとても美しく、荘厳な感じもする世界が繰り広
げられました。きっと松本さんも喜んで下さると思います。

3. Third Scene/ 青柳誠オリジナル曲
 小池さんをfeatureして。いつも小池さんは無駄がなく、厳しく、時々「『あ・誰?』も一緒に連れて行ってくれよぉ〜〜」と思う、恐いほどの自己の世界の確立!という印象を受ける時がありますが、この曲ではあんまり恐くなかった。写真撮らないといけないので、ちゃんと聴いたつもりが・・・
 で、青柳さんがソロ→ベースの早川さんもソロ。

4. Body and Soul
 第二回チーム別バラード選手権のコーナー!今度は安保・達哉の「優しいお兄さんたち・お嬢さんお手をどうぞteam」です。で、あとのお二人は例によってステージから離れられました。今回は安保さんがとても優しく、丸く、丁寧で、ほんと「結婚したいsax player No.1」って感じのロマンチックさ。で、達哉さんは、風邪っ引き故の逆噴射か、長男もたまにはやんちゃ!ってか、すごいソロ!山があるから登るんだぁ!という挑戦を感じました。「あ・誰?」は身も心も持って行ってもらいたい!(きっぱり!)でもね、みんな知ってた?この曲の歌詞って、happyじゃないのよ。身も心もあなたのものなのに、どうしてそんなに辛くするの?って歌詞なのよぉ、あぁ〜〜〜〜

5. Quantum Leap/ 佐藤達哉オリジナル曲
 最後は達哉さんのアルバム「new tenor scene」にも収録されている、ちょっち激しいナンバー。みんなでtheme。ソロは達哉さん→川嶋さん→小池さん→安保さん→青柳さん。
 で、4人でソロまわしがあって、大盛り上がり!yeah !こういうのって本当にそれぞれの特徴がわかって面白いですね。それから、その日から3日連続でSomedayに出る予定で「めざせ!Somedayハコバン!」なんて言われてた小島さんのソロ。とても楽しそうにたたく方です。

なんか、saxの方ばかりにスポットをあてたレポートになっちゃいましたが、写真も撮らないといけないし、その後に達哉さんのインタビューも控えてて余裕なくて、申し訳ないです。でも、本当に素晴しい演奏、素晴しい世界でした。

勉強で聴くもよし、だけど、素になって楽しむために聴くのが一番だと思う!
さぁ!関西ツアーも追っかけるぞ!


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