最近買ったCDのご紹介(2)
<99年5〜8月>

 前回ご紹介した5月以降の3〜4ヶ月に私が購入したCDをまとめてご紹介します。改めて見るとやはりサックスのアルバムばかりです。ちょっと偏っているかもしれませんね。なにかしら、皆さんのお役に立てば幸いです。感想はあくまでも私の主観的なものなので、異論反論はあるとは思いますが、ご容赦ください。結構言いたい放題書いてしまいました。


1.George Garzone/Alone

 第1回目のCD紹介の時にこの「ジョージ・ガゾーン情報を教えてください」という呼びかけにTsuboさん、MOTOさんから色々な情報を頂きめでたく入手できたCDです。
 このガゾーンさんは1950年生まれのイタリア人でバークリー音楽大学や、ニューイングランド音楽院、NYにも拠点を移した95年以降ではマンハッタン音楽院などでも教鞭をとる教育家として有名で、かのブランフォード・マルサリスや、ジョシュア・レッドマンも彼の教え子なのです。
とにかく音色、フレージングなどがすばらしく、私の最近の愛聴盤です。

2.George Garzone/Four's And Two's

 これも上のAloneと一緒に購入しました。ほぼ同時期に録音された物でジョー・ロバーノを迎えたテナーバトルが展開されています。二人の個性の違いがはっきり分かる興味深い演奏です。Aloneよりも臨場感あふれる熱いプレイになっていますが、洗練されたフレーズにはクールさが感じられます。ライナーノーツの裏にアドリブ・コピー譜が付いているのも嬉しかったです。

3.佐藤達哉/The New Tenor Scene

 インタビューコーナーへもご登場していただいたり、私のページ上でなにかと話題の多い佐藤達哉さんの97年録音のリーダー・アルバムです。どっしりとした音色で、すごく「Jazz」を感じます。いい意味で日本人離れした好プレイだと思います。

4.Stan Getz/Sweet Rain

 67年録音のチック・コリア、ロン・カーター、グラディ・テイトがバックを務めるゲッツ・カルテットの演奏です。実はこのアルバム、私は知りませんでした。一緒に仕事をした東京のミュージカルの指揮者の方にトゥーツ・シールマンのブラジル・プロジェクトVol.1をプレゼントしたお礼にこのCDを頂いたのです。
全体的には暗い印象のアルバムですが、ここでのゲッツはチック・コリアにインスパイアーされながら、淡々とクールにフレーズを紡いでいっています。

5.Smappies II

 ご存知、日本ビクターが金に物言わせてNYの売れっ子スタジオ・ミュージシャンやソリストを集めて収録したスマップのカバーアルバム。内容の想像は付くものの、マイケル・ブレッカーやフィル・ウッズ、ケニー・ギャレット、ビル・エヴァンス、グローバー・ワシントンJr、ジョージ・ヤングらが参加しているとあっては買わずにはいられないのが人情。
 もちろん、各ソロは素晴らしく、サウンドもカッコいい。一曲目の「ラプソディー・イン・ブルー」は圧巻!惜しむらくは、スマップの曲のメロディーの希薄さ、平板さが目立つばかり。スマップ音楽スタッフの力量は凄すぎるほどスゴイのは承知しているので、別の素材でこのような企画物アルバムは出来ないのであろうか?

6.Steve Grossman Quartet with Michel Petrucciani

 先頃他界してしまったミッシェル・ペトルチアーニの遺作となるのがこのグロスマンのアルバムです。「引き潮」「ボディー・アンド・ソウル」「イン・ナ・センチメンタル・ムード」などのスタンダードと各メンバーのオリジナル曲によって構成されています。グロスマンとペトルチアーニの絶妙なコラボレーションが聴けます。でも、ちょっと気になるのがグロスマンのピッチの悪さ、正直言ってつらいです。この人こんなに音程悪かったかな?

7.平原まこと/Moon Healing

 私のページのリンク集でもご紹介している東京のスタジオ・ミュージシャン平原まことさんのリーダー・アルバムです。「月」をテーマとしたヒーリング・ミュージック・アルバムになっています。ここでの平原さんは主にソプラノで美しくメロディーを吹かれています。さりげなく聴かせてくれますが、めちゃくちゃ上手いです。サックス奏者にとっていかに音色が重要か?ということを感じさせてくれます。まさにGood Musicだと思います。

8.Kenny G/Classics In The Key Of G

 言わずと知れたケニーGの新譜です。デビッド・サンボーンの佳作「Pearls」と同様の企画で、オーケストラをバックにポピュラーやジャズのスタンダードをソプラノとテナーで演奏しています。良いです。サックスを勉強している方には無条件で安心してお薦めできる1枚です。ぜひ聴いてみて下さい。中でもルイ・アームストロングの歌をサンプリングで合成した「What A Wonderful World」は聞き物です。

9.Candy Dulfer/Girls Night Out

 こちらもおなじみダルファーちゃんの久々の新譜です。例によってトーマス・バンクスの強烈な打ち込みとサンプリングの上でJBホーンズのフレッド・ウェズリー、ピーウィー・エリスそしてダルファーちゃんのホーン・セクションが炸裂!というクラブ・ファンクに仕上がっています。
はっきり言って、あまり面白くありませんでした。「サックス・ア・ゴー・ゴー」などで感じた、ワオーッ!というようなワクワクするような感じが無いんです。もうすぐ来日するらしいのでどんな公演になるのかが楽しみですが、このままでは飽きられてしまうのではないでしょうか?でもナマは別物だからな〜!

10.本田雅人/Carry Out

 元T-Squareの本田さんの2枚目のソロアルバム、何から何まで一人で作ったというビックリな作品。使っている楽器だけでもすごい数、サックス全種、フルート、クラリネット、コルネット、トランペット、トロンボーン、EWI、エレキギター、アコギ、ベース、キーボード、ドラム、ボーカル、そしてコンピューター・プログラミング、ミキシングまですべてひとりでこなし、しかもそれぞれの演奏レベルもかなりのモノ。金管楽器もアレだけ吹ければスゴイ!一人ブラスセクションは聞き物です。
サウンドはやはり一言でいうとT-Square風、在籍した当時に安藤さんから学んだサウンドメイキング法は、大きかったのでは?と思われます。
アルトは曲によってマウスピースなどのセッティングをかなり変えている様です。本当にマニアックなお方。ソロは例によってカッコいいです。楽器によってかなりスタイルを意識的に変えている様です。
しかしこの作業中って一人で、ストレス溜まるだろうな〜。「ここまでやるか?」というのが素直な感想(笑)。


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