最近買ったCDのご紹介(3)
<99年9〜12月>

 前回ご紹介した9月以降に私が購入したCDをまとめてご紹介します。今回はやはりサックス物が多いのですが、結構バラエティーに富んだ個性的なものが多いような気がします。なにかしら皆さんのお役に立てば幸いです。尚、感想はあくまでも私の主観的なものなので、異論反論はあるとは思いますが、ご容赦ください。


1.Benny Wallace/Some One To Watch Over Me

 1946年テネシー州に生まれたベニー・ウォーレスのガーシュインのバラードを集めた作品。CDショップでディスプレイされていたのがなんとなく気になって購入しました。結果的にはやはり私はこの人のスタイルと音色は、いつ聴いてもあまり好きになれません。ベン・ウェブスターやコールマン・ホーキンスのようなサブトーンから時折出てくる前衛的なアプローチ。良くも悪くもあまりにも個性的です。

2.Eric Alexander/Live At The"KEYNOTE"

 昨年3月、来日した際に原宿「キーノート」で行われたライブレコーディング。以前にもエリック・アレキサンダーのCDをご紹介しましたが、このライブ盤は「えっ、これがあのエリック?」とビックリするくらい凄い!やはりジャズはナマのものだなあ、とつくづく感じました。彼の印象がガラッと変りました。お薦めです。

3.Eric Dolpy/The Illinois Concert

 一応バスクラも吹く私は、たまには偉大なるエリック・ドルフィーも聴いてみたりします。ヘヘヘ・・・
実はこの名盤を私は持っていなかったのでありました。

4.Mark Turner/In This World
5.Seamus Blake/Stranger Things Have Happened
6.Chris Potter/Vertigo

 ゲストブックで三木俊雄(Ts)さんからご紹介して頂いた、注目の若手テナー・プレイヤー達のアルバム3作を私も探して手に入れました。もうひとりクリス・チークがまだ見つかっていないのですが・・・
 私が一番気に入ったのはクリス・ポッターでした(バスクラも吹いてます)。実は三木さんによるとこの4人、みんなテナーはバランスアクション、マウスピースはオットーリンクのエボのオールドだそうです。そう言えばジョシュア・レッドマンも同じ組み合わせですよね。これもひとつの流行りと言えるんでしょうが、一聴すると皆音色が良く似ています。しかし、じっくり聴きこむとそれぞれの違いが良く分かります。最近オールドのオットーリンクのエボを吹く機会に恵まれましたが、確かに素晴らしいサウンドを持ったマウスピースでした。手に入るものなら欲しい一本であります。彼らの動きはこれからも注目していきたいと思います。

6.Quiet Leaves/Quiet Leaves

 新澤健一郎〜岩瀬立飛ユニットとして注目されているもうひとつの"Glidephonic"と同時に発売になった最近の日本では珍しいバンドとしてのアルバムです。私の興味はかつて一緒に教材開発のお仕事をさせて頂いた事のある音川英二(Ts)さんがここでどのようなプレイをされているのか?と言う点でありました。結果的にはバンドトータルとしてのサウンドをかなり意識して作られているので、サックス・ソロが前面に押し出されているような作りのものがあまり無かったので、ちょっと残念。でも、なかなか良い感じのアルバムです。

7.小池 修/INSIDE

 インタビュー・コーナーにもご登場頂いた小池さんの初リーダー・アルバム。う〜ん、スゴイ!カッコ良い、なるほどな〜、と言う感じ。私は小池さんと実は同じ年で、誕生日も3ヶ月位しか違わないので、「あぁ、同世代として同じような音楽を聴いてきて、こんな事がしたかったんだろうなぁ」ということが痛切に分かるような気がしました。とにかくお薦め、是非聴いてみて下さい。テナーサミットでのナマの小池さんもスゴかったけど、こんな曲を自分で作り上げて、なおかつこんな自由にプレイできるなんて、なんて素晴らしい人なんでしょう!

8.Michael Brecker/Time Is Of The Essence

 言わずと知れたブレッカーの新譜、近年出たどれよりも私はこのアルバムが気に入りました。オルガンが入ったせいか、あのファンキーなブレッカーが帰ってきてくれたような気がして一気に聴いてしまいました。2月の来日ステージが楽しみです。

9.Paul Weston Orch./Mood For 12 & Solo Mood

 ポール・ウェストン楽団、ご存知ない方も多いかもしれませんが、50年代のウェストコーストで大人気を誇ったビッグバンドです。CDNOWのドルショップで検索して念願だった「ソロムード」がCDで再発された事を知りさっそく注文してしまいました。知的なアレンジと独特の甘い響き。当時のアメリカではこんな演奏を聞いてダンスフロアで踊っていたんでしょうね。ビッグバンド・ファンにもお薦めです。ベイシーやエリントンとは全く違ったダンスバンドもたまには聴いてみて下さいね。

10.Wendy Moten/Life's What You Make It

 キャノンボール・あ・誰?さんがゲストブックで絶賛されてたウェンディー・モートン。さっそく私も買いました。いや〜この手の音(ブラコン系)を聴いたのは久しぶり。たまには良いモンですね。それにしても歌はやっぱり上手い!!

11.Kenny G/Faith

 ケニーGの前作が出たときには既にリリースが決定されていたクリスマス・アルバムです。おなじみのクリスマスソングが並んでいて、たっぷりクリスマス気分が味わえた一枚です。もうシーズンは終ってしまいましたが、来年用にいかが?演奏は相変わらずどこから聴いても、あのケニーGサウンドです。

12.Herbie Hancock & Wayne Shorter/1+1

 これもゲストブック中で、MOTOさんがお薦めしてくれた一枚。私はウェイン・ショーターも大好きで「ウェイニング・モーメント」をはじめ、ほとんどアルバムは買っているのですが、これは買いもらしていて、「そう言えば、そんなのがあったよな〜」ってなわけで購入。私が感じているショーターの良さは、絶対に真似できない独特のタイム感覚と彼にしか吹けないフレーズ。フレーズだけコピーして吹いても我々がやると単なるイモになってしまうという超不思議な世界。ハンコックと二人、真っ向からぶつかったり、融合したりと、もうこうなると精神世界へと誘われてしまいます。


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