Chaka with 佐藤達哉 in ロイヤルホース

2000年1月15日(土)
大阪梅田ロイヤルホース

Chaka(Vo)
佐藤達哉(Ts,Ss)
中島 徹(Pf)
荒玉哲郎(Bass)
竹田達彦(Drs)


 私の古くからの友人で、ボーカリストのChakaさんがほぼ一年ぶりにロイヤルホースに出演、しかも佐藤達哉さん(Ts)との共演と言う事で「これは聞き逃せない!」ということで行ってきました。そのライブのレポートです。


Chaka Millenium Live With Marverous Tastuya Satou 「あーだ・こーだ」〜二足歩行への旅立ち〜、と題された(長いな〜!)ライブ、久しぶりに彼女の唄うジャズをたっぷり堪能した一夜でした。

 Chakaさんを「サイズ(PSY'S)」や「チャカと昆虫採集」などのユニットで聞いてご存知の方は多いと思いますが、ジャズピアニストを父に持ち、物心ついたときには既にジャズ・スタンダードを口ずさんでいた、という大変な猛者なのです。私達が出会った頃の彼女は、ブルース、ファンク、ロックなどジャンルを問わず上手く、非常にソウルフルなボーカリストでした。当時からサラ・ボーンの完コピーとかをバンドの練習の合間などに披露してくれていたのを良く覚えています。彼女をJ-POPシンガーとしてしか知らない方も彼女の素晴らしいジャズを機会があれば是非聴いて下さい。
 ロイヤルホースは彼女にとっては古巣、昔からジャズライブを行っています。

当日の演奏曲目リスト

1st Set 2nd Set
instrumental:Like Someone In Love
1. I didn't know about you
2. Shiny Stockings
3. Black Coffee
4. There I Go, There I Go
(Moody's Mood For Love)
5. I Love You Madly
6. A House Is Not A Home
7. I've Got The World On A String
instrumental: A Night in Tunisia
1. Never Make Your Move Too Soon
2. Everything Happens To Me
3. Body and Soul
(Coleman Hawkins' vocalised version)
4. I Wish You Love 〜爪
5. 大きな古時計〜The Old Folks
6. Vanity
7. Please Don't Talk About Me
When I'm Gone

encore:
Willow Weep For Me
They Call It Stormy Monday

 各セットの最初は佐藤達哉さんのインストでした。2ndの「チュニジア」はとにかくスゴかった!延々繰り広げられるテナーソロは圧巻でした。さすが達哉さん、太い音で低音からフラジオまで幅広い跳躍と、ものすごいスピードのシーケンシャルなフレーズなど、ただただ感心してしまいました。

 インストが終るとロイヤルホースの小林さんによるメンバー紹介とChakaさんの呼びこみがあり、後はChakaさんのジャズの世界へ・・・。英語もネイティブな彼女の唄いまわしは非常に自由で、歌詞のニュアンスも繊細に表現されていました。フェイクも自由自在で、幅広い声域を自由に跳躍するテクニックには特に目を見張る物がありました。

1stセットのジェイムス・ムーディーと2ndセットのコールマン・ホーキンスのヴォーカリーズ物も大変素晴らしく、この日の特出した演奏だったと思います。
また、2ndセットの4.5曲目の日米アンサーソング集は日本語の歌詞が入った事もあり、一瞬空気が変わり、非常に清々しい気持ちにさせてくれました。
「歌をあるがまま受け入れ、歌いたいように歌ったらこんな風になるんだよ!」というような主張が感じられるのですが、その反面、変な力みがないので自然な表現になっているんだと思いました。

 佐藤達哉さんの歌伴、私は個人的に非常に興味があったのですが、大変参考になりました。歌の合間ではけっして歌の邪魔をせず、さらっとオブリガードをいれ、ソロコーラスが回って来るともう達哉さんの自分のスタイル(ユダヤ系?)で時々バップ的なアプローチやオルタード的なフレーズなどが散りばめられていたのが印象的でした。
バックのトリオの中島徹(Pf・・・オバタラなどでもおなじみ、トロンボーン奏者としても有名、天はニ物を与えてくださるものなのですね)、竹田達彦(Drs・・・関西のもはや中堅、大変良いグルーブとサポートをしていました)、荒玉哲郎(Bass・・・同じ関西にいながら私はこの日初聴、堅実なプレイでした)の3人も良いコンビネーションを聞かせてくれました。

 曲の合間合間のChakaさんのMCも大変面白く、2ndセットはなんと2時間近いステージでありました。終わってみると23:40という時間。充実した演奏を胸にしまい、タクシーで帰途に着いたのでありました。また、この日彼女自身がサックスを購入して練習している、という重大発表があり、次のライブでは披露出来るように頑張るそうです。

 このライブはシリーズ化され、Chakaさんと有名サックス奏者という組み合わせで、今後展開していくそうです。次はどなたと演られるのか?しばらくは目が離せません。関西でしか聞けないのは、残念ですね。


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