アドリブ入門講座(9)

=フェイクしてみよう(2)=

 前回の講座から1年以上このシリーズの原稿を書いていないことに気が付き愕然としています。気を取り直して久しぶりにいってみましょう。
さて今回はフェイクの2回目ですが、IIm7-V7-I(ツー・ファイブ・ワン)というコードの流れを意識したフレーズを挿入する手法を研究してみましょう。


メロディー・フェイクの手法

今回は本来のメロディーから、次の小節のコードへいかにして上手くアプローチするか、ということがテーマです。例によって「枯葉」をモチーフにして、シンプルなスケールとコード・トーンのみでアプローチを考えてみましょう。オルタード・テンション系などの難しい音は一切使わずIIm7-V7-Iのコード進行(枯葉の場合はAm7-D7-GM7とF#m7b5-B7-Emの2つです)を上手く繋いでやるわけです。さっそく例題を見てください。


下の例題はアルトサックス用のキーになっています。

「枯葉」フェイク例2

 どうでしょう?前回から比べると大分ジャズらしく感じられるのではないでしょうか?メロディーを自由自在に操れること、イコール即興(アドリブ)ということになります。

また、フレーズとしては8分音符を主体に組み立てるようにしていくと後々、応用がききやすくなります。早く吹けば16分音符、ゆっくり吹けば4分音符という具合ですね。
音を沢山使わなければならないというわけではありません。あくまでもスケールの一部やコードトーンのアルペジオを使っているという意識が大切です。


=今回の宿題=

1.上記のフェイクのフレーズの下に各コードのルートに対する度数を数字(奇数)で書きこんでください。そうすることで各コードに対するアプローチの手法が解り易くなります。

2.前回と同じように自分で「枯葉」のメロディーをフェイクした楽譜を書いてみましょう。今回のテーマである「次のコードに繋がるように!」ということを忘れずに!!


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