渡辺貞夫カルテット2002

 久しぶりに私の自宅レッスン生の中村さんからライブレポートを送って頂きました。中村さんどうもありがとうございました。皆さんも足を運ばれたライブの感想などを送って下さい。このコーナーでどんどんご紹介させて頂きます。
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渡辺 貞夫カルテット 2002

場所:京都ライブスポットRAG
日時:4月5日(金) 7:30〜

メンバー:渡辺 貞夫(As)、小野塚 晃(P)、納 浩一(B)、横山 和明(Ds)

 貞夫さんの京都RAGの登場は約1年半ぶりでしょうか。貞夫さんは、ここ数年この時期は春のツアーということで全国のライブハウスを巡ってライブを行っているようです。平日にもかかわらずお客さんも超満員で立ち見もかなりありました。メンバーの構成を見てもおわかりのように曲も全てスタンダードナンバーや貞夫さんのオリジナルも含めストレートアヘッドなジャズばかりでした。

 私が今回のツアーで楽しみにしていたのは貞夫さんはもちろんですが、何といってもこのグループ初参加のDsの横山 和明さん(くん)です。"くん"というのは彼は何と17歳の現役高校生なんです。昨年同じように春のツアーで全国をまわっていたところ、あるライブハウスで彼と演奏後にセッションをしたのがきっかけで今回のツアー参加となったようです。MCで貞夫さんは"駐車場で駐車係していたのを拾ってきました(笑)"と言っていましたが、会場のお客さんはそれを聞いたとたんいっせいに驚きの声をあげていました。何でも学校の春休みを利用してツアーの時期も丁度この時期となったようです。その紹介からのお客さんの彼に対する目はまるでわが子を見守るかといった感じだったと思います。

彼の演奏はというと"本当に高校生?"といった感じで、あまり派手さはないんですが、堅実なプレーが目につきました。音も思ったより大きく、パワーも結構あるんだなぁとちょっと驚きました。かなり速いテンポでも十分対応できているようで、まあそれでもボサノバっぽいのやミディアムなテンポは貞夫さんもちょっと吹きにくそうなところはあって、まだ荒さはあるとは思いますが、これからが本当に楽しみです。貞夫さんもステージをやっている中で教えているという感じで、そういった場面も演奏中あったりなんかして、なんかマイルスを彷彿させるようで見ているほうもちょっと緊張したりしました。

 貞夫さんのこういった日本人だけの編成でジャズばかりというのは、生で聞くのは初めてでどんな感じかなと思ったのですが、ガンガンいくところもあれば、引くところもありといった感じで非常にバランスがとれていたと思います。貞夫さんのオリジナルの曲の途中でパーカーの曲に変わったりなんかもあったりしてとても楽しめました。Pの小野塚さんや、Bの納さんのプレーも今回は十分に堪能でき、小野塚さんのアップテンポでのスリリングなプレーは本当に素晴らしかったですし、納さんのプレーも普段はあまりソロを聞かないのですが、この日は何度かソロをとられて、ああこんなによく歌うベースなんやと聞きほれてしまいました。一緒に来た友人もこういうライブを見るのは初めてだったのですが大変喜んでくれて、また行きたいとも言ってくれたりしたので誘ってよかったなあと思います。京都RAGでのライブはツアーの最後の方もあってか、貞夫さん他のメンバーがソロをとっている間、後ろのイスに座ったりとか、MCでもちょっと声がかすれていて、疲れているのかなあと少し心配しました。これまでにはこういったことはまずなかったので、お年はあえて書きませんけれどファンとしては出来るだけ長く第一線でやってほしいというのが願いです。お体には十分気をつけてほしいです。ステージは2ステージ構成で、演奏時間は2時間半弱だったでしょうか。十分満足いたしました。

 最後に横山くんの、あのがむしゃらにやっている姿、あの澄んだ目がとても印象的で、僕もバンドをやり始めたころは(まあレベルは全然ちゃいますけれど)ああいう感じだったんだろうかと思い、いろいろ思い出したりして考えさせられるものがありました。やっぱりライブはいいですね!!


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