第3回 佐藤達哉さん(Sax)


 第三回目は、JazzLife誌のセミナーや数多くの著作でもおなじみで、演奏活動も活発に行われている日本を代表するテナー奏者、佐藤達哉さんのご登場です。「ジャズに関するページ」にあるテナー・サミットのライブ直後に収録されました。インタビュアーはおなじみの「キャノンボール・あ・誰?」さんです。「あ・誰?」さんの面白いトークも炸裂!例によって長文ですので、ファイルに保存してじっくりお読みになる事をお薦めします。


佐藤達哉さん

使用楽器

テナーサックス:アメリカン・セルマー マーク6 NO.67853

ソプラノサックス:アメリカン・セルマー マーク6 NO.69950

アルトサックス:アメリカン・セルマー マーク6 NO.61515

バリトンサックス:アメリカン:セルマー マーク6 NO.193203

マウスピース、 リードのセッティング

テナー:オットーリンクメタル10*、石森リード3番、バンドレン V16-3番、マーカジャズ3番 など

ソプラノ:セルマーメタルE、リコー4番

アルト:オットーリンクメタル10*、テナーと同じリードです

バリトン:ヤナギサワハンドメイドラバー11、リコーロイヤル4番

影響を受けたplayer

JOHN COLTRANE,STEVE GROSSMAN,DAVE LIEBMAN,MICHAEL BRECKER,BOB MINTZER,JOE HENDERSON,STANLEY TURRENTINE,STAN GETZ,,WAYNE SHORTER,CANNONBALL ADDERLEY,JACKIE McLEAN,などなど

お薦めアルバム、CD

CRESCENT/JOHN COLTRANE
CITYSCAPE/CLAUS OGERMAN&MICHAEL BRECKER

ホームページ
(ライブスケジュールはこちらを御覧下さい)
http://www2u.biglobe.ne.jp/~sattatsu/


  今回は内桶さんも彼の著書を参考に練習したことがあるという佐藤達哉さんにご登場頂きました。新大久保Somedayでのテナーサミットのライブ直後で、ライブ後の一杯を楽しんでおられたpfの青柳誠さん、マスターの森さん、達哉さんのお弟子さんもいらっしゃいました。お疲れのところ、本当にありがとうございました。


あ・誰(以降、誰):前回、小池さん(小池修さん)とのテナーバトルも聴かせて頂きました。あの時は小池さんは一貫して変らない音色で、アグレッシブでブイヨンみたいにぐっと凝縮・圧縮された様な音で、ガンガンに行っておられました。で、達哉んは、もち肌な音で、一曲ずつ微妙に変化して、優しかったです。でも帰ってから達哉さんのアルバム「New Tenor Scene」を聴きなおしてみたら、少し印象が違いました。それで、今日の達哉さんは、そのアルバムの印象と似ていました。

佐藤達哉さん(以降、達):あぁ、なるほど、そうですか?

誰:あ、あ、MD入ってます。で、まず、月並ですがsaxとの出会い、吹き始めるきっかけになったのは?

達:はい。大丈夫ですか?(大阪弁のアクセントで)この音(Somedayでは、ライブを録音して、ライブ後に流すのが定番になっている)が大きすぎることないですか?(大阪弁ちょっと下手くそ)

誰:あれ?(笑)どうして大阪弁なんですか?ふふふ。

達:あ、いや、大阪の人がいるとすぐ同化してしまうんです。
えっとですね。え〜〜っと高校1年、2年の時だったかな?仲のいい友達が「お前、ジャズっていう面白い音楽があるから聴いてみろ」って。そいつはなんで聴き始めたかっていうとお兄さんが ジャズ好きで、お兄さんのところで聴いて。「達哉おまえも聴いてみろ」って言うからMilesのアルバムを紹介してもらって、MilestonesとかKind Of Blueとか、すごい気に入っちゃって。毎日ずうっと聴いてて、高校生だからそんなにお金ないから、合計4〜5枚を何とか買って、一年間そればっかり聴いてた感じなんだけど。

誰:有名なやつばっかり?

達:そう。もう、すごい好きになっちゃって。でも、Milesよりそれに入ってるサックスの方が好きになっちゃって。それはJohn ColtraneとCannonball Adderley。ん?(私の方を見て)「キャノンボール・あ・誰?」さんですよね? ふふ。(笑)

誰:マスター、ちょっと小さい音にできる?

マスター(以降マ):え?出来るよ(ちょっとムカついて横目でにらんでる)。

誰:後でチュ〜〜〜ってしてあげるから。

達&青柳誠さん:はっはっはっは・・・

マ:ほんまやな?

誰:一回だけよ。

青柳:はは、ええな。

達:一回だけよ・・・

マ:いや、二回や!どこにしてくれんねん?

誰:いや、それはもう好きなとこに。

達:わぁ!?すごいな!

青柳:鼻の穴に?ははははは・・・

マ:ほんまやな?

誰:録音されてるんですけど・・・

達:ははは、それでぇ、えっと、saxがすっごく好きになって。大学入ったらsaxやろうと思った。で、高校出る時に金が少しあったから「sax下さい!」つって買いに行って、アルトもテナーもよくわかんなかったから、とりあえず小さいのがいいと思ってアルト買って「あ、これはCannonball Adderleyと同じ楽器や」と思って・・「楽器や」って(笑)なんか変やね?

誰:(笑)あぁ、いえいえ。

達:「同じ楽器や!」と思って、それで「クラブ入りたいんですけど!」って早稲田大学モダンジャズ研究会ってのに入ったんですよ。タモリさんを筆頭に、諸先輩方がいまして。う〜ん、僕の印象としてはすごいなんかね、暗いクラブでね。何ていうか。

誰:割と「ジャズ」って固まってる感じ?

達:うん、固まってる感じで。僕のイメージなんだけど、僕が入ったのは1976年なんだけど、70年安保の残り火みたいなのがある感じで。なんかこう、ジャズっていうと、そういう反社会体制みたいなのに一番、こう、先頭にあげられる存在・シンボルだったから、そういうことやってる人たちっていうのもそういう考えがちょっとあるような感じがして、何かね、おっかないクラブって感じで、一年生の時あんまり寄り付かなくて。でもサックス一生懸命やりたかったから、二年生ぐらいからちゃんと始めたって感じかな。で、一生懸命やろうと思ったのは、一年生の時の学園際で先輩がすごいいい演奏してたんで。やっぱ生演奏は大事ですよね。その生演奏を聴いて「なんてかっこいいんだろう?」と思って、子供心に、18歳の心にガビン!と打って、「俺もこれをやろう!」って。

誰:自分で楽器屋へ買いに行ったんですか?

達:うん、そもそもね。自分で。周りにいなかったこともあるし。ブラスバンドとかやってたわけじゃないから。

誰:HP見せてもらったら、大学の時に始めたって書いてあったんですね。ある雑誌にも「今、日本でテナーを吹かしたら、この人以上の人はいないだろう」って達哉さんのこと書いてあって、トップっていう言い方は変ですけど、だって、人それぞれだから。でもそういう専門誌も認めて、で、ファンも、同業者にも、その記事に意義をとなえる人は私はいないと思うし、そういうトップの一人と言われてる人にとって、大学で始めるってのは、ちょっと遅いイメージがあるんですよ。

達:うん、そうだねぇ。

誰:例えば大抵の人は中学や高校でブラバンやって、みたいな人とか、例えば小池さんみたいに15歳で既にキャバレーで吹いてたみたいな人もいるし、それで、達哉さんはどっちかというと遅いと思うんですが、遅さ早さは別にして、遅めに始めたことの良さ、またはもっと早く始めたかったという悔しさとかはあります?

達:あのね、まず、良さとしては、ブラスバンドをやらなかったのは、逆に良かったと思うんです。クラシックの奏法だから、ブラスバンドというのは。楽器はうまくなるかもしれないし、譜面も読めるようになるかもしれないけど、そっからジャズの奏法にスイッチするのに、苦労してる人が結構多いんですよね。俺はいきなりジャズだったから、なんか、それしか最初から知らなかったから、一回、こう、クラシックを経て、変遷する苦しみみたいなものがなかったから、それが非常によかったと思います。で、よくなかったというのは全然感じないですね。

誰:大学でまずクラブ入ってって、結局それは全くの独学だったんですか?

達:そうなんですよね。まぁ、先生には習ってないし、ま先輩がいたから、先輩の吹くのを見てね。真似してやってた感じ。でも先輩は仲々教えてくんなかった(苦笑)。だからよくほら調理人が丁稚奉公するでしょ?そん時に絶対教えてくんないでしょ?

誰:見て覚えますよね。

達:そう。それから、鍋の底に残ったのをなめて、とかね。そんな様な雰囲気はあったと思うんですけどね。

誰:譜面とか読むのも自分で覚えたんですか?

達:・・・そう。だから、ずっと読めなかったけど。

誰:ピアノ習っててとか、そういうのじゃなくってですか?

達:ピアノとかは、子供の時にちょこっとやっただけで、全然読めないし。さすがにやっぱ、20代の頃は結構練習しましたけどね。読めないと仕事になんないから。

誰:そうですか?(驚)いや、勝手なイメージですけど、達哉さんの演奏を一言で言えって言われたらとても上品なサックスだと思うんですよ。すごく品があるんですよ。一個一個聴くとすっごいワイルドだったり、めちゃめちゃ力強かったりするんですけど、絵と一緒で、引いて見るとすごい品があるんですよ。だから、例えば中学生ぐらいの時から「はい、これがアメセルだよ」とか言ってお父さんが買ってくれて、そうやって吹いてたんだ、みたいなことを言われても驚かないと思いますけど、全然そうじゃないんですね。

達:全然違うんですねぇ。

誰:いや、素晴しい!もっとファンになりました!

達:あ、そうですか?それはどうもどうも。


誰:そうですね、自分も含めてのsaxophone playerに求めるもの。「俺の思うsax playerは、こうあって欲しい」というものは、何でしょう?

達:う〜〜〜〜〜〜ん。いい音色を持つ、ということかな?自分の音色を持つってことかな?

誰:それは、例えばパラパラパラパラパラって吹くことより?

達:そう。それ(パラパラ吹けること)は二次的なこと。その人自身がちゃんと出したいと思っている音を出すってこと。

誰:そのためには何が必要なんでしょう?

達:それはやっぱイメージでしょう?

誰:理想?

達:理想!ちゃんとそれを持ってる人じゃないと。

誰:ただまかせて吹いてたら、だめ?

達:そんなのすぐわかるから。今日来てる皆さん(テナーサミットの共演者:川嶋哲郎さん、安保徹さん、小池修さん)は、そういうイメージをすごい持ってるから、お願いしてるし、でないと一緒にやってても全然面白くないし、inspireされないから。自分の声を持ってる人、ですね。


誰:sax屋、マウスピース屋、リード屋に求めることは?

達:ほげ?

誰:作ってらっしゃる人たち。こんなん作って欲しいってのは?

達:あぁ〜〜〜〜〜はぁ。はっきり言って、あの、新製品には全然期待してないんですよ。

誰:そうなんですか?(笑)

達:全然期待してない(きっぱり)!本当は期待したい!僕の出したいのはやっぱ昔の音だから。

誰:いわゆる、達哉さんが「イメージする」音、がですか?

達:うん。昔の50年代、60年代の音を出したい。それっていうのはやっぱその頃の道具を使わないと絶対出ないから。だから、楽器も随分古いの使ってるし、マウスピースも随分古いの使ってるし。で、聴いてるのも、昔のすごい多いし。で、新しいのも嫌いじゃないけど、どうも奥行きがない様に聞えるんです。

誰:それは例えば、当時の録音技術とかを差し引いても?

達:うん、それは、もうわかる。

誰:自分が思っている音は昔のものの方が出るということですか?

達:そうそうそう。

誰:だから、新製品には別に期待していない。

達:うん、期待してないんだけど、何とかしてくれたらいいなという気持ちはあるんだけど、ことごとく裏切られてるから。

誰:それって材質の問題なんですか?

達:材質の問題だし、作ってる人のイメージでしょうね。やっぱ今鳴ってるのは、少しずつ良くはなってるけど実は、ちょっとずつだけど、ほんっとにちょっとだけど。以前よりはね、十年ぐらい前とか。例えば十年ぐらい前だったら、本当にもうfusion真っただ中で、fusionに一番合う様な音を出す楽器とマウスピースを積極的に売ってたと思うんです、楽器屋さんもメーカーも。fusion大好きだし、やってるけど、でも昔の音色でやりたいんです。

誰:それは、ここ(影響を受けたplayerという欄)に書いて下さったColtraneやAdderleyといった人たちの様な音色でですか?で、スタイルや具体的なフレーズなんかはfusionてことですか?

達:うん。そうそうそう。そういうので出来たら。深い音色でfusion。今のだと、深い音は、出せないことないだろうけど・・難しい。

誰:でも、それってこんな日本のトップのsax playerが思ってる様なことなのに、他に思っている人が少ないから、売れるものを作るから、そういう傾向になっちゃうんですかね?

達:それもすごいあるでしょうね。

誰:じゃぁ、達哉さんは平均として他のプレーヤーとは違う音を求めているんでしょうか?

達:結局みんな必ず深い音ってのを出したいんだろうけど、深さの色合いが違うんだろうな。どうなんだろう、わかんない。安保ちゃん(安保徹さん)なんかもっと古いの、俺よりもっと古い楽器使ってるし。

誰:あの方は素晴しい音でしたよ。私、香水が好きで、音楽より相撲より、香水に一番詳しいんです。で、パウダリーノートっていう種類の香水があるんですけど、そういう音でした。金の粉がまぶった様なロマンチックな音。

達:ロマンチックですよね。

誰:はい。今日の4人の中で一番そういう感じでした。今日はレポートしながら聴いてたんですけど、達哉さんは・・・えっと「oh yeah!すごく太い音で男性的」って書いてあります、ここに。「シダーズブルース」あ、うちの親父、顔がシダー・ウォルトンに似てるんですよ(笑)。「ソロすごく偏差値高い」って書いてある。偏差値という言葉がふと浮かびました。偏差値が高いplayっていうのはこういうplayなんだなって。

達:あっはっはっは、そうですか、はっはっは。面白いですね、そういうイメージは。(「あ・誰?」の言うことが可笑しいらしく、ずっと受けている)

誰:それで「小池さん、いつもより優しい音。だんだんいつもっぽく、都会的、モダン」 「川嶋さん、ちょっとHぽく」って書いてますね、あはは。

達:うん、うん、(ずっと「あ・誰?」のレポートを聞いて下さってうなずいておられる)、そうそう色気あるんですよ、あいつ。

誰:そういう感じでした、今日は。

達:まさしくそうでしょう。

誰:う〜〜む・・・そうですか。で、マウスピース屋さんってsax奏者じゃない人がやってるんですかね?

達:あの〜、最近はプライベートで作ってる人が会社起こす様な場合が多くて、そういう人は元々sax吹きだった人が多いみたいですけどね。

誰:でも、そうあって欲しいですよね。

達:実はね。やっぱ知ってる人じゃなきゃね。


誰:さて、ユダヤ系なんて言われておられるみたいなんですが。

達:私ですか?・・・ユダヤ人は素晴しいですよ!!

誰:ユダヤ系saxのスタイルだなんて言っている人が多い様な気がするんですが、そうじゃないですか?

達:あぁ、だから僕の好きなテナー、Coltraneとか昔の人も好きだけど、今生きてる人だったらMichael BreckerとかDave LiebmanとかSteve GrossmanとかBob Mintzerとかね、みんなユダヤ人だから、みんな一連のね、同じ様なサウンドとフレージングとリズムののり方があるから。それが自分が一番やりたいカラーっていう感じだから。

誰:じゃぁ、それについてはどう思われますか?

達:ああ〜〜っと、ええ〜〜っと、悪い印象は覚えないですね。それは、そういうことやってることが、みんなに聞えてるだなと思いますね。

誰:あの方(マスター)もおっしゃってましたけどね。でも実際今、白人でテナー吹いてる人ですごい人ってユダヤ人がほとんどですよね。Bob Bergさんもそうだし。

達:そうそう。

誰:ヴォーカリストでもうまい人多いですよ。Bette Midler, Barbra Streisandとか。ユダヤ人って音楽的には才能があるんじゃないですか?

達:ねぇ、そうそうそうそう。


誰:達哉さんの「New Tenor Scene」というアルバムを頂きました。で、一生懸命聴きました。考え様によると使命感の強いタイトルと思うんですね。で、タイトルに込めた意気込みとか、またはどういう意味でつけたのかな?って。

達:あ〜なるほど。あの、なるべくね、楽にやろうといつも思ってるんですよ、ものごと。結構、随分こう、自分に課しちゃう方だからね。性格的に。そうするとすごい疲れちゃって、やんなっちゃったりするから。なるべく楽に、でもどこか緊張感を漂わせて生きる様にしてるんですね。だから、あまり、俺がこういうシーンを作っていくんだ!みたいなのは全然興味ないし。「New Tenor Scene」っていうのは自分自身の、なんていうのかな、新しい展望みたいな意味合いでつけた名前なんです。ジャズシーンの中における新しいものを作っていこうなんてのはこれっぽっちも考えてないね。

誰:自分にとっての景色、世界。

達:そう。で、もう随分前に2枚位出したんです。26〜7の頃に。13年ぶりに出したの。で、その間にはずっとfusionばっかやってた時期もあって「佐藤達哉はfusionの人だ」なんて言われたこともあってね。「ジャズもたまにやるみたいだな」なんて言われて。「ジャズもやるんですね」「あ、いや、ジャズは一番好きですよ」って。でも一番ジャズをメインに持っていたいんです。それでいると、fusionとかもすぐスイッチして行けるし、例えば歌の伴奏とかね、ロックとか。ジャズがルーツにあるとヒュッヒュッヒュッて行けて、すぐに戻れる。と僕はいつも思ってるんです。で、自分自身いつもそう考えてるってことも表したかったし、で、やってる内容はもろジャズだしね。そういう意味合いで、そういう風につけたんですけどね。


誰:えっと、色々聞きたいことあるんですけど「天下の佐藤達哉!」

達:いやいや、天下、そんな・・

誰:天下の佐藤達哉だよねぇ?(と、達哉さんの隣に座っていた若者にふる)

若者:うん!

誰:お弟子さんですか?

達:あ、はぁ、そうです。

誰:お弟子さんも「うん」と言っております。あたりまえじゃないですか!お弟子さんが「うん」と言わなきゃ、何の為に習ってんだ。

達:あははは・・・

誰:でも、素晴しい師匠だと思いますよ。

達:あ、そうすか、それはどうもありがとうございます。(照)

誰:天下の佐藤達哉、日本で上から数えてすぐ!一番かな?って感じ

達:wow! 大変っすね。

誰:でも!!!嫉妬しちゃうこともあるかな?playerじゃなくても、シンガーでも。

達:あ〜、日本で?

誰:特定の人じゃなくて、こういうタイプの人、でもいいですよ。

達:あ〜〜〜あのね、自分が持ってるものと違うものを持ってる人で、自分が欲しいと思ってるもの持ってる人はみんなやっぱ羨ましいです。今日のみんなは、俺とは全然違うものを持ってるから。川嶋なんかHだし、安保ちゃんのあの大きい感じとかもすごいいいしね。

誰:あ、安保さんは「結婚したい男性No.1」って感じのplayでした。

達:はぁ、はぁ。

誰:安定とスリルのバランスがそういう感じ。安定だけじゃつまんないし、スリルだけじゃ無茶苦茶じゃないですか。

達:あぁわかる。すごくいいイメージだと思う、そう。

誰:で、川嶋さんの方が「あ、遊ばれちゃうかしら?」って感じでした。

達:なるほどね〜〜。

誰:もちろんplayが、ですよ(笑)。

達:なるほど。だからね、自分の課題はね、そういう多分、色気みたいな感じかな。

誰:え〜〜〜〜〜*@??達哉さんって、色っぽいですよぉ。(←「あ・誰?」マジ。 目がキラキラ)

達:・・・なんか、それって健康的な色気でしょ?もし、あるとすればね。

誰:もっといやらしい〜〜感じがいいんですか?

達:もっといやらし〜〜、なんかね、こう不健康な感じがね。あ、生活は不健康なんですけど。もっとなんかこうドロドロした感じとかね。俺ってすごくはっきりしてるから。性格、内面的にもね。どっちかに分けちゃう方だから、いつも。あやふやな感じとかがないからね。演奏にそれが出る感じがするんですよ。

誰:あぁ〜〜。それで言うと、今日の中でいうと、恐いのはね、厳しいのはね、小池兄貴ですよ。あの人のplayはすごく厳しい。うま〜い、すっご〜い、音が一人だけガチガチで。達哉さんていうのは、比較するのはおかしいですけど、たまたま今日の4人の場合ですけど・・

青柳:わぁぁぁ(低音でマイクにすごく近づいて)

達:なんか、興味を持ってる人が・・・(笑)

誰:(笑)あはは、青柳さんゲスト出演で〜〜す。

青柳:ホワホワホワホワ〜〜〜ン

マ:ついでに俺も・・・

誰:マスターも、あとでチュウ・・えっと。

達:あ、そうか、どこだか知らないけど(笑)。

青柳:鼻の穴。

マ:しょっぱいぞ。

誰:達哉さんは、今日は、もともと4人のうちのバンマスだからという使命感もあるからかもしれませんけど、長男でしたね。

達:はぁ、長男。

青柳:だって、そらやっぱり年上やもん・・・ちょっと余計なこと言い始めたかな?

誰:いやいや、playがね、今日はね、ご長男っていう感じで、すごい潤いがありました。

達:はぁはぁ、潤いが・・・

青柳:ははは・・・

誰:だって、私は「なんとかリディアン」もわからないし、何にもわかんないですよ。デイブガーデラもわかりませんしね。

達:あはは

青柳:ガーデラ・・・?

誰:リコーの何番もわかりませんから。ただもうライブ見てると字が見えてくるんです、いっぱい。それで、すごく今日は「横綱」でしたね。

達:横綱、そうすか?(照)横綱、そうすか?

青柳:体重が重いっていうこと?

達&青:あはははははは・・・・(爆笑)

誰:(マジ・モード、スイッチON ! )体重が重い男、大歓迎ですぅっ!あの、男の人たち、もっと大きく!太って下さい。

達:(苦笑)あぁ、そうすか?

若者:へぇ?(驚)

達:体脂肪率一番あったかな、俺が?

誰:あ、もう、体脂肪率30%以下の男は男と認めませんから。

達:はっはっはっは。(ずっと笑っている)

若者:へぇ?(驚)

誰:いやいや、その、よつ相撲なんですね、そうそう。あ、小池さんは最高にすごい、不知火型なんですよね。わかんない説明ですけど。達哉さんは雲龍型の最高峰。

達:はぁ、そうっすか?

青柳:相撲で来ましたか・・・


誰:わかんない説明してすみません。さて!あ〜〜こんなこと訊いちゃっていいかな?天下の佐藤達哉、雲龍型の最高峰。音楽の神様が、今、天から降りてきました、ばば〜〜〜ん!で、指をさして「達哉!お前はよう頑張っとる。すごい!次のもっともっとすごい佐藤達哉になるには、これこれこれだけのことをして欲しい!」って言って、またシュ〜〜〜っと天空に戻って行きました。さて、神様は何て言ったでしょう?

達:う〜〜む(苦笑)なるほどね。す、すごいな、その質問の進め方は!

青柳:ふはははは・・

誰:でもね、小池さんはね・・・逃げたよ、この質問。(まだ正式インタビューはしてなかった)この質問だけ答えてくれたの。すっごい逃げたよ、あの人は(笑)。やっぱ次男坊だと思った。

青柳:ふふふ・・

達:いや、やっぱね、今まで言ってきたことに関連するかもしれないけど、今までに出来てないことをもっとやれってことだと思うよ。色気とかさ、曖昧さとかね。俺は、まぁ自分で自分を分析した場合、すごくはっきりしてて、どれも割り切れる様なことばっかしてきた。それは聴いててみんなわかりやすかもしれないけど、音楽ってもっとなんか、Billie Holidayのドロドロした感じとかね、Lester Youngの退廃的な感じとかも必要だと思う。色んなものが混じった中で渾然一体となったものがお届け出来たら一番面白いものが出来ると思うんですよ。だから一つのことだけすごい様な感じのカラーだと、ある種の人には共感を産むかもしれないけど、多くの人には聞かせられないかもしれない。色んな人に聞かせたいから、そういうことを原点として考えた場合にもっと色んなこと、今までにない、なんか、退廃したとか、ドロドロしたとか、表現したいなと思いますけどね、色気とかね。

誰:(「あ・誰?」は佐藤さんのplayはとても大きく、色気やドロドロしたものも色々なものが含まれていると感じていたので、まさか雲龍型の最高峰がそんなことを思っているとは思っていなかったので、驚きました)へぇ〜〜〜〜〜〜〜〜?割と、二宮尊徳さんの様にしょいこに一杯荷物をかついで今日まで来られたタイプなんですか?自分に課してるっておっしゃったじゃないですか?何かあると真面目に考えて、右か?!左か?!みたいに、きっちりとして、自分に荷物を課して、練習だとか、音楽以外の人間を深める為のものとかをしてきたタイプなんですか?

達:なんか、変にくそ真面目なところあると思うんです

誰:透明人間になりたい。一ヵ月ぐらい達哉さんのポケットに入って見たい。

青柳:へへへへへへへへへ

達:あ、そうすか?恥ずかしいな。

青柳:見てみたいね、それは。

誰:すみません、ありがとうございます、そんなことまで答えて頂いて。

達:いえいえ。


誰:いや!次の質問に行こうかな?ありがとうございます。こないだのテナーバトルの時はもち肌で、優しく「ねぇ」って言ってくれてた感じなんです。でも今日の達哉さんは「おい!」っていう部分がいっぱいあったんですよ。

達:はっはっは、そうすか?ありましたか?

誰:わかる?その感じ(青柳さんに向かって)。すごく失礼な表現なんですけど、テナーバトルをじっと見てて、達哉さん怒らないでね、こんなこと思ったの。達哉さんがもし女の子とデートしてる最中に滅茶苦茶欲情しました。もうどうしようもなくなりました。で、女の子を押し倒しました。でもその女の子の服が汚れない様にハンカチかなんか敷いてあげる様な優しさをすごい感じたんです。でも、今日はね、もっとなんか荒っぽい感じ。でもたった二つのライブだから、何も言えないんですけど。その違いは何なんだろ?と思ったぐらい今日の達哉さんは違いましたね。

達:行ってました?そういうふうに?

誰:「おい!『あ・誰?』お前!歌え!Body and Soulだ!Bフラットだ!」って、まぁ、キーは関係ないんですけど(笑)。私、そういう男の人、大好きなんです。

達:(苦笑)あ、そうすか?

誰:「ねぇ?」って言われてハンカチ敷かれる人よりもぉ。

青柳:(笑)ハンカチねぇ・・・ってそういう人、そんな人と会ったことあんの?

達:(爆笑)あっはっはっは〜〜〜〜〜

誰:いや、まぁね。・・でも、私に「おい!」って言う男の人は仲々いませんよ。寂しいぃ〜〜、言って欲しいぃ〜〜

達:はっはっは、そうすか?

誰:いやぁだから私はね、すごくその変化を楽しみながら、でもねぇ、写真とってたんですよ(笑)。(写真は達哉さんに頼まれたので)

達:あ、すいませんね。今日はね、何だかね、非常にそういう気分でしたね。

誰:男でしたか?「おい!」って?

青柳:ひひひ

達:男でしたね。(また、大阪弁風に)「横でごちゃごちゃ言わんといて!」っていう感じ。「じぶん!」「余計なこと言わんといて」(イントネーションが変)という感じ。変ですか?

誰:(笑)達哉さんの下手な大阪弁でした〜〜

達:あはは。


誰:このHPを作っていらっしゃる内桶さんという方は、達哉さんよりちょと若いだけだと思う、えっと小池さんと同い年ぐらいだと思うんですけど、学生時代達哉さんの本で練習したこともあるそうなので、何か一言メッセージを。

達:あ〜〜〜、あの〜〜、え〜〜、緊張しちゃうな。そうですね、あの、書いた本はね、読んだっていう人、結構いらっしゃって、ためになった部分もあるみたいなんで、ちょっとでも貢献できたら嬉しいなと思いますけどね。そのうちお会いすることもあると思いますんで一緒に演奏しましょう。


誰:では最後にこのHPを見ている人たちに何かアドバイス的なメッセージを。

達:えっとね、サックスをとにかく好きになることが大事ですね。好きこそものの上手なれってよく言ったもので。好きになると色んなエネルギーが湧いてくるから。あ〜もうこんな上手になんない楽器は嫌だなとか思わないで、なんとか好きになることが大事だと思いますよ。そんな感じですかね。

誰:テナーサミットで大阪と京都に行きますよね。このHP見てるみんなが集まって「見にいこう」という企画があるみたいなんです、どうやら。

達:あ、oh yeah!

誰:宣伝をば一つ。

達:えっとですね、全然違った個性の4人のテナーが、くんずほずれつ、非常に中味の濃いエキサイティングなステージをお聞かせすること間違いなしですので、みなさん、是非期待してて下さい、マル!

誰:そういう訳で、では、お弟子さんも一言。

若者:佐藤達哉さんという方は素晴しいsax playerです。日本でもこういうタイプの人は少ないんじゃないでしょうか。

誰:それだけ?自分のアピールはないの?

若者:え?いいですよ。

マ:何か名前だけでも言うとけよ。

若者:あ、じゃぁ、わたなべこうすけ(×5)よろしくお願いします。

誰:じゃぁ、マスターもSomedayの宣伝をどうぞ。

マ:毎度!

全員:はは(笑)

誰:というわけで、ありがとうございました。

達:よろしいでっか?

誰:下手なインタビューでしたけど。

達:とんでもござらん!

誰:終わり!


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