第2回 アンブシュアー
アンブシュアーとはマウスピースをくわえる為の、口の周りの筋肉を含めた口や、唇の形のことを意味する専門用語です。
良いアンブシュアーとは、見た目にきれいな形よりも、力の入り方が均等でしっかりしたくわえ方であると言えます。
文章で表現するのは非常に難しいのですが、以下にそのポイントを揚げておきます。
私のアンブシュアー
- 上の歯のあたる位置はマウスピースの先端から1cmくらいがめど
- マウスピースの上下で歯の位置をそろえる(噛みあわせを合わせる)。
- 下唇のエッジ(顔の皮膚との境目)が、下の歯のちょうど真上に来るくらいに下唇を下の歯の上に置く。
- 上下の歯はあくまで当てるだけで、締めるのは口の周りの筋肉の力である。
- 上唇は前へ突出ないように上の歯の手前に収める(赤いところが見えないように)
- 口の両端は特に引っ張ったりせず息が漏れないようにしっかりと固定する。
- 上下の唇は輪ゴムのように柔軟で均一に締まり、決して硬くなってはいけない。
チェックポイント
- 適切なアムブシュアーの力の目安は、マウスピースだけで音を出した場合アルトでBbテナーでAb(いずれもコンサート・キー)の音できちんとロングトーンできることです。
よくマウスピースだけで吹かせるときちんと音程が取れなかったり、ロングトーン出来ない人がいます。
この段階で、だいたいその人のピッチや音程、音色の良し悪しがわかります。
中にはどう吹いても全然違う音程が鳴ってしまうマウスピースも実際に存在します。このようなマウスピースは設計そのものが失格です。絶対に使用しないでください。- 楽器の音程の70%はアンブシュアーで決まります。
- 適正なアンブシュアーで全音域をノーマル・トーンで正しい音程で吹けることが、サクソフォン演奏の基本です。これには、クラシックもジャズもありません。
ジャズ奏法でよく使われるファット・リップ・ポジションやサブ・トーンについては、回を改めて書いてみたいと思います。- よく海外のプレイヤーの写真を見てアンブシュアーを真似ようとする人がいます。
良いイメージトレーニングにはなりますが、骨格や口の周りの筋肉の発達がまったく異なるので、同じように見えるように努力することはさほど意味を持ちません。
だまされたと思ってやってみよう・・・アンブシュアー体操
口の周りの筋肉のトレーニングです
- 上下の唇の赤い部分を合わせ一直線にします。(上下唇のエッジをきちんと合わせてください)
- まず上下方向に思い切り力を入れます(5秒くらい)・・・下あごに梅干が出来てもかまいません
- 1.の状態に戻ります。
- 次に一直線のまま左側へ思い切り引っ張る(5秒くらい)右側も同様に
- この3パターンを1パックに、1日5パックくらいからはじめ徐々に回数を増やしてゆくと良いでしょう。