第7回 ビブラート

 音楽(特にメロディー)を表現する上で、重要な要素の一つにビブラートがあります。
ビブラートは、ピッチの変化による音の振幅ですから、サックスではあごを動かすことによってかけることになります。


ビブラートをかけるための予備練習
(あごを動かす運動)

1. まずあごを下げる練習をします。
中音のドの音をロングトーンしながら、下の歯を少し下に開くようなイメージで半音下のシの音が出るくらいまであごを下げてみましょう。  

注意:アンブシュアーを緩めるのではありません

2. あごを元の位置(ドの音)に戻します。(出来ればチューニングメーターを使って下さい)

3. 1.と2.を交互に繰り返し練習します。


ビブラートの練習

 あごが自由に動くようになって、予備練習が上手く出来るようになったら、実際のビブラートの練習に入ります。
実際のビブラートは、もちろん半音も音程が動くことはありません。

  1. メトロノームで4分音符=60のテンポを設定します。
  2. まず、1拍単位で振幅をつける練習をします。
  3. 続いて8分音符、3連符、16分音符とだんだん振幅回数を増やしていきます。均一にかかるように充分に練習してください

 ビブラートは、感情表現のひとつです。吹こうとするメロディーの音型や、その曲のテンポによっても変化します。
どんなテクニックでもそうですが、大事なことは自分の意思できちんとコントロールできることです。

クラシックのビブラートとポピュラー・ジャズのビブラートとの違い

 クラシックの奏法ではビブラートはどんなパッセージを吹くときにでも絶えず均一に一定の振幅でかかります。
一方ポピュラーやジャズでは、伸ばした音にのみビブラートをかけるのが一般的です。その上、伸ばしている間に大きな振幅からだんだん細かくへと変化していきます。

ジャズ・アンサンブルでのビブラートの注意点


注意すること

 私が教えている、趣味でサックスを吹いている生徒たち(週に1回位しか楽器に触れる時間がない)には、楽器を持ってから1〜2年くらいはあまりビブラートの練習をさせません。なぜかというと、アンブシュアーの定着がきちんと出来て、ある程度口の周りの筋肉が出来てこないと、あごを動かすことが、逆にアンブシュアーの破壊へつながってしまうと考えているからです。
 ビブラートの練習に入る前に、自分のアンブシュアーがきちんと出来ているかどうか、良く確認した上で練習することをお勧めします。


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