第29回 新製品試奏レポート
セルマー・スーパー・セッション
(ソプラノ用マウスピース)


定価¥12,500 全国楽器店にて発売中!

 以前のマーカ・ジャズ・リードは各方面から色々な反響がありました。今回はセルマーのソプラノ用マウスピースの新製品をご紹介致します。


 その名も「スーパー・セッション」というJAZZ用のソプラノ・マウスピースがセルマーから発売されました。特徴は広いオープニング・サイズ、クラシック奏者の方は卒倒してしまいそうな、HIJという3種類のサイズのみの発売です。
見た目には上の写真では分かりにくいかと思いますが、底面が円盤状にカットされており見慣れないとかなり違和感を覚えるデザインです。第一印象は「カッコ悪〜い!」というのが素直な感想。
マルタさんなどは既に使用してらっしゃるようです。

セルマーのオープニングサイズはアルファベットで表記されており後に行くほどサイズが大きくなっています。普段私の吹いているのがDですからいかに広いオープニングか想像して頂けるかと思います。
私の所有している他のマウスピースと比べても随分と広いのが良く分かりました。比較したのはBARI60、オットーリンクメタル5*、セルマーメタルFです。
詳しいスペックなどはまだ明らかにされていませんが純粋にセルマーの基準でHIJの順にサイズが大きくなっているものと思われます。

しかし実際に吹いてみるとさほど広さを感じずに楽に吹くことが出来ました。HIJ3本とも試奏しましたが、バンドレン・トラディショナルの2半と、マーカ・ジャズの3番で吹きました(Jではこれらのリードでは少ししんどかったです)。アメリカンカットのリードの方が合うかもしれませんが、今回は試してみる時間がありませんでした。

特筆すべきは内径がオールドモデル(私Dや近藤和彦さんF、土岐英史さんC*、平原まことさんC*などが使用)と同じように丸く削られていることです。現行のS-80や90は四角いのでこの辺りに音色の謎があるのかも知れません。

チェンバー内部は従来のセルマーと同じでラージであると言えます。そのため音色は太く、締まったややダークな感じですが、息が良く入るのでかなりのボリューム感があります。楽器自体も良く振動します。オープニングが広い方が楽に吹ける、ということも出来そうです。
息に対するレスポンスも早くタンギングもしやすい印象を持ちました。

ただ、初心者の方へはあまりお薦めしにくいのも事実です。ソプラノ歴が1年以上あり、ある程度アンブシュアーが定着し音程などのコントロールをマスターされている方で、もっと大きな音を出したい、とかバンドの中に入ったときに音圧感が欲しい、という方にはピッタリだと思います。
またちょっと広い目のオープニングのオールドモデルを探しているが、なかなか無いし、あっても3〜5万円という相場では手が出ない、という方も一度試してみてはいかがでしょう?

個人的にはE〜Gあたりのサイズのものがあればもっと良かったのにな〜。そのうち出てくるかもしれませんが、果たしてどうなるのでしょう?とりあえず今は購入は見送ろうかと思っています。
アルト用のスーパーセッションは出ないのかな?


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