第36回 試奏レポート
BULLSEYE リガチュア

 今回はこの1年くらい、一部のプロの間では話題になっていた新しいリガチュア「ブルズアイ」という製品を試奏することが出来ましたので、そのご紹介を兼ねてレポートします。


このリガチュアは森寿男とブルー・コーツ・オーケストラのリードトランペッター、小山宣夫氏による手作りの物で、基本的には既存のヤマハ、セルマー、クランポンなどの各社の下締めリガチュアに手を加えたものです。一般の楽器店などでは手に入れることは出来ません。唯一ヤマハ銀座店には展示しているそうですが、今後も口コミとネット販売を中心に地道に作っていくそうです。

ブルズアイ(バスクラ)

まず、上の写真をご覧下さい。これは私のバスクラのマウスピースに装着した写真です。分かりにくいかも知れませんがリガチュアの上ネジと下ネジの間に金属板が取り付けられ、さらにその中央にボルトを取り付けるようになっています。リードに接するポイントをしっかりと強化し、振動を確実に引き出し、余分な雑音などを取り去るための工夫だという事でした。このシステムは特許を申請中だそうです。また仕上げは全てが特殊なゴールドプレート(金メッキ)加工が施されています。

吹奏感は「素晴らしい」の一言です。私も今までリガチュアには結構こだわりを持って選んできたつもりですが、音のまとまり、伸び、つながり、レスポンス、ボリューム感など、どれをとっても今まで使ってきた物とは比べ物になりません。このような衝撃的な製品はウィンスロー以来だと思います。


ブルズアイ・リガチュアの数々(左)と製作者の小山氏(私の自宅スタジオにて)
リガチュアの下の箱にはボルトのバリエーションが収められていた

また、ボルト部分にはステンレス、金メッキ、コパー(銅)というバリエーションがあり、この組み合わせによってもビックリするほど音色が変わります。私の吹いた感じでは高音楽器(クラ、ソプラノ)には金メッキのはっきりした明るい音が合い、中低音楽器(テナー、バリトン)にはコパーのどっしりした安定感のある音が合うような気がしました。ステンレスは無難な中庸な感じを受けました。

小山氏によると手作りのため、結構リガチュア本体もボルトも個体差が大きく、実際に吹き手を目の前にして納得できるようなセットアップをしていきたい、と仰ってられました。またほとんどのメーカーのマウスピースに対応できるように多彩なサイズのものが取り揃えてありました。

結局、私はクラ、バスクラ、サックス4種の全てを購入してしまいました。同席した大阪音大の講師、中谷龍也氏もアルト、テナーを購入、またかねてからのユーザーである大阪のフリーのプレイヤー片峯栄二郎氏も顔を見せて、ソプラノとアルトのボルトをそれまでのステンレスから金メッキへ交換、大喜びで帰っていかれました。

価格、お問合せなどは、下記のホームページをご覧下さい。実際にご注文されたい方は一言「このホームページで見た」とメールに付記して頂けると話が早いと思いますよ。

OFFICE ”BULLSEYE” Tel&Fax 042-311-0628
e-mail;bulleye@hat.hi-ho.ne.jp
ホームページ;http://www.hat.hi-ho.ne.jp/bulleye/


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