第37回 オルタネート・フィンガリング
CDなどを聴いていて、「同じ音を連続して吹いているだけなのに、何かカッコ良いフレーズだなあ?なんだか音圧が変わっているみたいだな?」などと思われた事はありませんか?
ジョン・コルトレーンの演奏でも聴く事が出来ますし、マイケル・ブレッカーやデビッド・サンボーンらが脚光を浴びた70年代フュージョン全盛期頃にはこのオルタネート・フィンガリング(直訳すると替え指)の基本的な考え方は確立されていた、と考える事が出来ます。
一般に知られているノーマル・フィンガリングと、ここにご紹介するオルタネート・フィンガリングを混ぜて使用する事によって、よりフレーズにスピード感をつけたり、トリッキーにしたり、色々なニュアンスの変化を出したりすることが出せるようになるのです。
下のオルタネート・フィンガリング入門用の譜例をご覧ください。記号がついているところがオルタネート・フィンガリングを使うところです。
伊東たけし氏が良く使うパターン
70年代にマイケル・ブレッカーが良く使ってたパターンでは、実際にどのような運指を使うのか、以下に私が使っている運指を掲載しておきます。左がノーマル、右の方がオルタネートになります。なおお使いの楽器のメーカー、型番等によっては必ずしもこの運指で出ない場合もありますのでご了承ください。
オルタネート・フィンガリングの考え方の基本は、やはりオーバートーンの延長線上にある、と言えます。高いEやFの運指はここではフロントFキーを使うことをノーマルとしています。
これらの運指を是非マスターして、フレーズにヴァリエーションを付けてみてはいかがでしょう。