第33回 楽器のお掃除

 今回は、最近MLでもお題として取り上げていますが、基本的な楽器のお手入れ法と、小物のご紹介をしたいと思います。大切な楽器ですから日々のお手入れが大切です。簡単ですから面倒くさがらずにぜひお掃除の習慣をつけてください。


普段私が持ち歩いている小物たち

写真でご紹介します。普段私の使用しているものは、

1.ネック、マウスピース用スワブ
 上段左、ヤマハのやわらかい生地のものです。

2.本体用スワブ
 上段右、大きな布の両側に紐と錘がついていてなかなかの優れものです。1.のものもそうですが、楽器を吹き終わった後で、管体の中に通して水分を取ります。

3.クロス
中段右、楽器の表面を拭いて手の脂や埃などの汚れをふき取ります。通常はこの布で軽く磨く程度で充分だと思います。ラッカーポリッシュなどは全く使っていません。

 基本的には以上の3点が私のお掃除道具です。これ以外ではクリーニング・ペーパーを常にかばんの中に入れています。タンポが濡れたときには、この脂取り紙のような紙で水分を吸収しておきます。タンポは皮ですから、水分を含むと段々硬化していってしまいますので、寿命を延ばすのに効果があります。実際に脂取り紙と全く同じ紙質なので、化粧品店で買って使っている人も多いです。そのほうが楽器用のものを買うよりもはるかに安くて経済的だそうです。

 MLでも書きましたが、以前はLaVoz社のパッドセイバーという、モコモコの毛ばたき状のものを、10年以上愛用し、本体に差し込んでしまっていましたが、あるときリペアマンから「細かい抜けた毛がタンポに付着したり、オクターブキーの音孔に溜まったりしますので、あまりおすすめじゃありません」と言われ、それからは2.の本体用スワブを使っています。

 エボナイトのマウスピースにスワブを通していると、長い年月の間には段々わずかながら、内径が変化してしまうようです。とはいえ目でみて分かるようになるには20年ぐらいかかるようですが・・・。私が中学時代からずっと使いつづけていたクラリネットのマウスピース(バンドレンのB45)は、あるとき気が付くと、サイドレールの真中あたりが微妙に削れていて細くなっていました。でもこれはある意味で寿命だと思って、新しいマウスピースに買い換えました。あまり神経質にならないほうがいいでしょう。それより衛生的にも、必ずマウスピースからリードを外して、スワブをきちんと通しましょう。
 特にメタル・マウスピースを使っている方は注意が必要です。放っておくと内側に石灰質の白い固まり(歯垢と同じようなものだと思います)ができたり、錆が浮いてきたりします。ネックに関しても同様のことが言えます。

その他の小物もこの機会に紹介しておきます。

4.コルクグリス
 中段左、これも必需品ですね。ネックコルクの滑りを良くするためと、コルクを長持ちさせるために使っています。

5.リードケース(Groval)、リードガード(LaVoz)
 中段中央、リードケースには安定した状態でいつでも本番に使えるような「神様リード」(第3回リードを選ぼうの項を参照して下さい)をいれてあり、リードガードにはシーズニング(調整)中の毎日少しづつ吹いているリードを入れてあります。

6.チューナー(KORG)
 中段右から二つ目、トレーニングに欠かせないアイテムです。CA-20というカード型のコンパクトなものに、ピックアップマイクがセットになっていて、アンサンブルの中で吹いていても自分の音だけに反応してくれるので大変便利です。

7.ストラップ
 中段下、これも長年愛用しているヤマハの肩当の部分が皮製のものです。

8.ネック・マウスピース・ポーチ(Woodstone)
 下段、私は普段皮製の丈夫でコンパクトなソフトケース(私の先輩プレイヤーの方の手工品)で楽器を持ち運びしているので、これは便利!これにネックとマウスピースをいれて楽器のベルの中に収納するとスッキリ収まります。


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